回复：【转贴】ぼくは君のモノにならない☆2☆【kinki同人吧】

58.61.111.*

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episode57

ぼくらのその後はどうなったかというと・・・全然进展无し。
なぜなら、ふたりきりになろうとすると、必ずマネージャーが
邪魔するようになったから。
楽屋でキスしてたのなんかが、いけなかったんか。
彻底的に二人にならないようになってしまった。
ぼくに悲しい颜をみせたマネージャーも别の人に変わってしまった。

ただでさえ映画の撮影と舞台稽古ですれ违うスケジュール
グラビアも二人にはなかなかならない。
でも、冬のコンサートのための准备で颜をあわせられた。
音楽番组でも、ちゃんと颜をあわせた。
だけど、どの现场でも、光一は舞台の准备で忙しく
あわただしく席を立たされた。

だから・・・ぼくは前よりいっそう、光一を见つめるようになった。
人越しに、物越しに、镜越しに。

ふっと振り向いてくれる事もあった。
ぼくがちょっと微笑むと安心したように光一も微笑む。

约束は果たされないまま、时间がすぎていき、ぼくは女の子とも出かけるようになり
マネージャー达は、少し安心したように思えた。

ぼくは・・・・待ってた。
彼らが油断するのを。

もう、ぼくの気持ちが冷めたと思ってくれるのを。
光一に変えた番号をすぐに教えなかった事もある。
そんなふうに、すこしずつ、すこしずつ、离れたように见せた。

でも、谁も知らない。
ぼくが夜中に送るメールの事は。

「おやすみ。光一」

たったひことのその言叶の意味。

---今日も君が好き。寝るまぎわまで君を想ってる。
　　明日も君が好き。目覚めたら君を想う。

そんな意味をこめて、おやすみを送る。

今日は髪を切った。
アシンメトリーは、ぼくの心みたいで。
とても気にいった。

君に会いに行きたい。
なんて言うだろう。
似合うって言ってくれる?

その夜ぼくは、光一の梦を见た。

ぼくの髪を指で梳きながら、ぼくにキスをしてくれる。
额から、鼻。頬から口へ。
滑る光一の优しい唇の感触をぼくは受け止めていた。

だから、起きた途端にその感触が泡のように消えて呆然としてしまった。

それで・・・
目覚めた时にちょっと泣いてしまった。

58.61.111.*

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◆

episode58

刚が髪を切っていた。
可爱いので惊いた。

おれ达の日々はあいかわらずで、なかなか会えずにいる。
刚のソロコンがはじまる前日、おれたちは収录で会えた。

すれ违う廊下で、刚は「非常阶段」と嗫いた。
前に、别の局で、密会できたことがある。
今日はかなりごたごたしていて、もしかしたらマネージャーの目を
盗める可能性があった。

10分後今度はおれの待つとこに刚が降りて来た。
「こおいち」
「おまえ、このあとすぐ横浜行くんやろ」
「うん」
「気つけや。がんばってな」

泣きそうな表情の刚がそのままおれに抱きついた。

「梦・・・见た」
「ん?」
「光一と・・・キスする梦」

「・・・・そんなんいくらだって・・・」

言叶なんか言ってる时间が惜しかった。
刚の唇を自分のそれで塞いだ。

舌をからませ、手すりに刚の身体をおしつけ、贪るようにキスした。
刚の指がおれをとらえ、きつく服をつかみ、応えてくる。

なんで、こんな所で。
なんで、こんな风にしか。
梦中でキスしながら、おれは、泣きそうな気分だった。
ふっと、刚の頬をなでた指が濡れているのに気付いた。

「泣くなよ」
「うん。もう、泣かん」
「がんばれや」
「ん・・・・後で电话ちょうだい。ひとりになったら」
「ん。わかった」

阶段をのぼろうとする刚にもう一度だけほおにキスをした。
ほおをおさえて振り向いた刚が、おれを见ながら阶段を登って行く。

笑った。

それでいい。
笑って、刚。

家に帰ってから、刚に电话した。
もう寝てるかと思ったらすぐに出た。
「こおいち。お愿いがあるん」
「何?」
「あんな、タトゥ贴ろうと思うてんの、どこに贴ればいい?」
「おれが言うの?」
「うん」
「じゃ、首筋・・左侧」
「・・・・うん」
「贴った?」
「うん」
「何?愿いってこんなんでいいの?」
「ほんとは、キスしてほしいけど、こおいちにキスされる、代わり」

「キスマークの代わり?」
「ん」

やべ。
刚のかわいい「ん」が、おれの下半身に来た。

「じゃ、もう一ケ所贴って」
「ん?うん」

「アソコ」
「え・・・・ええっ」
「ほら、ちゃんと」
「やらし・・・・」
「ひゃははは」
「んもー」
刚が何かやってる、たぶん贴ってるんだな。

「ところで、おまえ、どこ贴ってるん?」
「え・・」
「ちゃんと膝裏に贴ったか?」
「え・・・・ええっ。なんで膝裏やねん!」
「つーか、おれ、まだどこって言って无いやん」
「・・・・えー」

赤くなっただろう、刚がわかる。
「うそうそ。伟いな」
「んもー」
「谁にも触らせんなよ」
「触らせるかっ」

「おやすみ」
「うん。おやすみ」

刚の闘いがはじまる。
おれたちの闘いも。

*****
いや・・刚さん见てた时は、こんな事全然考えてませんでしたよ。
もっとココロから纯粋な目でみてましたっ。はいっ。

58.61.111.*

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episode59

タトゥは毎回违うとこに贴った。
毎回、光一の言ったところに。

光一がキスしてくれてるみたいで。
そこの场所が热くなる、そんな感じ。

「左の二の腕」
「みぞおち」
「右の脇腹」
「みぞおちからへそまで、ずっと・・・・もっと下・・」

それは、前にやった电话での、会话みたいで。
ぼくの身体はいやおうなしにどんどん热くなっていく。

「もっと下・・」
と言われて限界が来た。

「こおいちっ。こおいちっ」
「なんだ?」
「も、限界や」
「え?ダメ?」

「うん・・・・光一に会いたい。
光一の体温がほしい」
ぼくは、信じられないような耻ずかしいせりふを口にしてしまった。

「・・・・」
呆れた?光一

「うん。おれもおまえに会いたい・・・おまえを・・・」
言って。
「・・・・」
言ってくれへんの?

「ごめんな。会えないのに辛くなるばっかやな」
光一は、言叶を浊した。
言ってくれへんの?ぼくを欲しいとは。

「キス・・ちょうだい」
言ってくれない言叶のかわりにぼくは、光一に电话越しにねだった。
「ん・・・」
光一は、今度はすぐに返事を返してくれた。

「おまえのほおに触れてる。亲指でおまえの唇抚でてる」
光一は淡々とそう言った。

「ん・・・」
「キス・・・するよ。ちゃんと、うけとめや」
「う・・・・ん」

目を闭じて唇を开いた
电波がキスを伝えてくれるのかなんて、わかんないけど。
光一を感じた。

「いっぱい・・・して」
「うん」

「今度あったら、ぼくを抱き缔めてな」
「うん」

「わがままばっかでごめんなぁ。こおいち」

「・・・・おまえの、わがままなんていっくらでも・・・」

光一が言叶を切ってだまってしまった。
「こおいち?」

「こおいち?」
「・・・っ・・」

光一が・・・・泣いた。
光一が、泣いてる。

「こおいち」
「何度もよぶな。おまえに名前呼ばれるの好きやって、言ったろ」
「うん・・・え」
「声闻いたら、あいたくてしかたなくなるやろっ、あってキスして、抱きたくなって・・」
「こおいち・・・」
「・・・っく。ちくしょおっ!こんなんおれじゃない! 」

电话の向こうで何かが壊れる音がした。
光一が何かを割ったのかもしれない」

「刚・・・・」

ぼくを呼んだ声が好き。

「刚」

もう何年やっけ。
出会ってから何度も、何度も呼んだ君の名前を、今夜も呼ぶ。

「こおいち・・・・」

そして、二人きりでは、けして言ってはいけなかった言叶をぼくは口にする。

何度も何度も。口にする。

あいしてる。と

好きや。と

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◆

episode60

それは、とても、远い记忆だった。
刚を好きだと意识したのは、いったいいつからだっただろうか。
心を许せる友达のいなかった学校。
でも、それを埋めて余有るくらいの优しさを刚から受け取っていた。

笑颜、泣き颜、怒り颜、何も隠さない刚は、おれへの优しさも隠さなかった。
たいせつな相方。たいせつな友达。そう思っていたつもりだった。

ある夜、突然だった。
同じ部屋で寝ていた刚にふと目をやると、寝ているはずなのに涙がほほをつたっていた。
「刚・・・・?だいじょうぶか?」
ベッドの端に腰挂け、そっとほおに指をすべらせて、涙をぬぐった。
今は、ひとりのドラマの仕事中。涙を流すほど何か辛い事があるんだろうか。
「助けてやれる事やったら、なんでもするんだけどな。おまえのためなら・・・」
おれがそうつぶやくと、刚はうっすら目を开けた。
「こぉちゃん・・・・?」
「なんか、泣いてたよ。おまえ」
「ん・・・さみしい梦みてた。」
「なんで、寂しいん。おれがここにいるやろ」
「じゃあ、一绪に寝よ」
刚が布団を无造作に上げた。

いや・・・・え?
相方とはいえ、さすがに変じゃないか?
时々刚は、他人との距离がわからなくなるところがある気がした。
でも・・・刚が泣くほどさみしいなら、いいか。
おれは、刚の布団にもぐりこんだ。

「ふふ」刚がちいさく笑った。
「不思议やね。こぉちゃんがいたら、もう、全然さみしくあらへん」
おれの肩に额をよせてきた。
刚に邪気はないのは、良くわかっていた。
その证拠に安心したように、すぐに寝息をたてて眠ってしまった。

けど、おれは・・・・
刚の布団で刚の寝息にくすぐられ、刚の体温をリアルに感じ、かつて感じた事の无い
思いを抱いた。

イトシイ

隣にいるこいつが、谁にも感じた事がないくらい、爱しい。
横を向くと刚の额に軽く唇が触れた。
刚の体がさらにおれを求めるように寄って来た。
无意识におれを求めてる・・・・おれじゃなく、谁かの体温を求めてるだけかもしれないけど
刚の指がおれの服の端に、ひっかかった。
きゅっと握られたそこから、刚の体温がさらに感じられた。

そっとそこに指を这わせた。

するりと、刚の指がからまってきた。
おれは、自分にそれを引き寄せ、口づけた。
そんなふうに、一绪に寝たのは、少年时代には、何度かあった。
ずっと・・・・ずっと・・・・
おれは、それから、刚を思ってる。
けして汚さぬように、壊さぬように、细心の注意を払いながら。

ようやく、かないそうなこの秘密の思いを抱いて夜に沈んでいたら、
刚から电话がかかってきた。
おれに甘える刚の声を闻きながら
そんな思い出が、どっと溢れて来て、思いもよらず、电话口で泣いてしまった。

いやだ。
なんだろう、こんな弱さはいらない。

おれは、もっていたバカラのグラスを、床に投げつけてしまった。

泣いてる暇なんかは、ない。
おれは、いつでも戦う准备ができている。
どんな运命にも负けはしない。

そんなおれに、刚の声が闻こえて来た。
とたんに柔らかく溶けて行く、おれの心。
刚がおれを呼ぶ声が闻こえる。
おれの名を何度も何度も。

そして、ずっとずっと闻きたかった言叶を刚が言ってくれた。

「あいしてるよ・・・こぉいち」

何度も何度も、嗫いてくれた。

それが、ほしいすべて。
他に何もいらない。

***

すいませんっほんとに长くなってまして。
ここんとこ亀のようにすすまないし。このスレまで终わってしまうし。
次のスレッドで终わると思います。まだやってんのかよっとお思いかもしれませんが、
も少しおつきあいください。

218.15.174.*

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◆

请问，有没有哪位大人翻译一�

58.60.127.*

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◆

episode61

新曲のリリース。
コンサートの准备。

ぼくたちは、会う机会がどんどん増える。
PV撮りの现场で光一にあったとたん、手を振ってしまった。
まるで、子供みたい。
光一はというと、苦笑している。
楽屋でお弁当を食べていた。
「これやる」と光一が甘い卵焼きを置いた。
「んじゃこれ」かわりに蕗の煮たのをあげようとつまんだ。
なんとなく、おはしで光一の口に持って行った。
「なんやおまえ・・・・」光一は、照れながらぼくのおしつけた、蕗を食べた。

「やだー。何いちゃいちゃしてんのー?」
入って来たヘアメイクさんが、声をあげた。
「しー」ぼくは、平静を装って彼女にむかって唇に人差し指を立てた。
「谁にも内绪な」光一もネタっぽくそう言うと
「はいはい」と、彼女は肩をすくめた。
「10分くらいなら、时间かせいであげるよ」
「え・・・」ぼくは、彼女の言叶に绝句した。
彼女の表情はマジだったから。
「なんにも言わなくていいよ。うまく言って二人きりにしてあげるから。ね」
彼女は亲指をたてて出て行った。

「ば・・・・ばれてる?」ぼくは、あわてて光一を见た。
「ま、平気やろ。せっかくだから10分・・」
光一がぼくのそばに移动してきた。

いきなりの浓密な空気を感じ
「でも、ここでは・・・」
と、いいかけたらおもむろに光一に抱き寄せられた。

「こ・・・光一」
「约束したろ。今度会ったら抱きしめるって」
「・・・・うん」

ちゃんとおぼえててくれた。
ぼくが言ったわがまま。
光一のコロンに包まれて、腕の温もりに意志を感じた。

タイセツ・・・ぼくをタイセツに思ってくれてる。

痛いほど伝わってくる、光一の心。
「これ可爱いな」アシンメトリーの端のくるくるのエクステを
光一は指で巻いた。
「そ?」
「ん」

见つめ合って、自然にキスをした。
ほんものの、感触に溶けそうになる。
何度もリフレインした、唇の感触をたしかめる。
背中にまわされた光一の腕に力がはいるのが、心地いい。

何度も何度も、角度をかえて、キスを続けた。

ようやく息をついて、离れると
光一がつぶやいた。
「甘いよ・・・おまえ。卵焼きの味がする。」
ぼくは、思わず笑い出してしまった。
「こっちは、蕗の味やわ」
光一が爆笑した。
「この蕗苦いから、おまえ苦手やろ」

ぼくが、「ううん。だいじょうぶ」と言ってもっかいキスをしようと近寄ると
光一のケータイが鸣った。
光一は、无言でケータイを切るとぼくを抱き寄せてキスの続きをした。
「今の电话・・・」
「ほっとけ」
ぼくらは、ドアがノックされるまで、キスに没头した。

PVはセットの中で歌うだけだった。
湖ができていて、小岛に立ってぼくらは新曲を歌う。

撮り上がったモニターを见てると言われた。
「刚君、なんか幸せそう・・・・」
闻こえたスタッフの何人かが、ちいさく颔いた。
光一も、モニターの後ろで微笑んだ。

「そう? 甘い・・・卵焼きのせいやな」

ぼくがそう言うと、光一は照れたように向こうを向いてしまい
みんなは、なんの事かわからずに首をかしげた。

あのキスさえあれば、ぼくはだいじょうぶ。
うん・・・
だいじょうぶ。

58.60.127.*

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episode62

刚が幸せそうで、うれしくなる。
今の曲の歌词の中に、「爱が苦しみだと、もし教えられても」ではじまる
フレーズがあって、このフレーズを、歌うたびに、この恋を思ってしまう。

何度も眠れぬ夜をすごしてきた。
何度もおれらしくない、涙を流している。
嫉妬に焼かれそうになったり、こんな思い舍ててしまおうと何度も思った。
それでもやめられない。
おまえを爱してる・・・

刚の笑颜をみるたびに、永远に独占していたくなり
刚の润む瞳をみるたびに、情欲を感じる。

今、刚は、スタッフと谈笑している。右手をぐーにして、くすくすと笑っている。

おれは、片隅に用意されていたコーラを注ぎながらそれを见ていた。

あいつは、おれのものなんです。
さっきまで、おれが抱きしめてキスをしてたんです。
これから・・・おれは、あいつを抱くんです。
うん・・・・谁がなんと言おうと。

おれの视线を感じたのか、ふっと刚が振り向いた。
途端にせつない表情になって、目をふせてしまった。
胸に握ったこぶしを当てて、俯いたまま动かなくなってしまった。
刚はおれをそっと见た。
そして、ケータイを手にとって、何かうち始めた。

うち终わる顷には、またスタッフとの会话に加わる振りをして
後ろ手にしたケータイの送信ボタンを押した。
おれは、ケータイを持ってスタンバイしてた。
着信と同时にメールを受け取る。

「このあと、会いたいな」
刚のメールに心臓が掴まれたように感じた。
おれの気持ちを察したのか?
もう一刻の犹予もなくなってるおれの感情。

「うん。どこで会う?おれんちもおまえんちもやばくない?」

そう返した。
刚はスタッフの轮から抜け出して、スタジオの隅に行った。

「光一が决めて。そこいくから」と帰って来た。

「光一取材はいってるから、行くよ」とマネージャーに言われる。
もう、刚との时间は终わる。
「刚の仕事は?」
「ドラマのうちあわせ」
「ふぅん」

出て行く间际、刚に视线を走らせた。
刚もおれを见ていた。眼差しだけで见交わすおれたち。
かすかに刚が笑った。
おれも微笑んで、スタジオを後にした。

おれは、取材が终わると车で外に出た。
湾岸を走らせ、横浜に出る。长瀬と时々游びにくるあたりで、刚も土地勘がある。
食事に寄った事のある、长瀬の颜のきくホテルに入った。
「部屋あいてますか?」
こんな事をするのは、はじめてだった。
「シングルでよろしいですか?」
「いえ・・・後でもう一人来ますんで」
「ではダブルでご用意させていただきます。」
おれは、帽子と眼镜をかけてるが、ばれてるかもしれない。
でも、ホテルマンは、素知らぬ振りをしていてくれる。

部屋に入り、刚にメールをした。
「横浜ベイホテル8017忙しくて无理なら来なくていいから」

ホテルに诱うという行为が刚を尻込みさせるかもしれない。
「いつでも抱かれると思うな」と言われたし。

でも、今日の刚を思い出すと、疼く。
艶のある微笑みと、眼差しでおれを见ていた。

刚からの返信は无かった。
无理かな。仕事が、おしてるのかもしれない。
おれは、ひとりで冷蔵库の酒に手を伸ばし、コップに开けた。
风吕にお汤をはり、ぼんやりとTVでやっている映画をながめた。

部屋のチャイムが鸣った。

「こおいち」

チャイムの後におれの好きな声がおれの名を呼んだ。

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episode63
ちょっともどります。

***

打ち合わせが终わると、ケータイを见た。
光一からは、まだ何も言ってきてなかった。

「刚さん、お家に送ります」と言われ、车に乗る。
マネージャーさんが话す明日の予定を闻きながら、ぼくは目を闭じた。
「ねえ・・・めっちゃ好きな人、今いる?」
ぼくは、目を闭じたまま彼にそう言った。
「え・・・・ええ、まあ」
「そうなんやー。こんな仕事してるとなかなか会えんやろ」
「いや、おれまだ片思いですから」
「そうなん?じゃ职场で会えるの?」
「ええ、まあ」
「へぇー。むこうもこっち见てたりとか?」
「そんな気がする时もありますねぇ」
「ええな・・・なんか纯粋に恋してるって言えるときやなぁ。そこん时って」

ぼくは、好きと言い合えない顷のぼくらの事を思い出してた。
たしかに感じる光一の眼差し。抱きしめられた腕の力にこもる感情。
普通ならそんなものを感じたら、告白したり、食事に诱ったりするのに
ぼくらの顺番はめちゃくちゃで・・・

その时メールが着信した。
「横浜ベイホテル8017忙しくて无理なら来なくていいから」

一気にココロが騒いだ。
横浜のホテル・・・・ホテル・・・・
どおしよう。
行ったらきっとやばい。行ったらもう光一に捕われてしまう。

「刚さん・・・・あした7时入りですから、帰ったらすぐ寝てくださいね」
「・・・・」
「刚さん?」
「うん。お休みなさい」

ぼくのマンションについた车から、ぼくだけ下りる。

无理していかなくたって、光一は怒りはしない。
ぼくは、このままでいられる。

カバンを握りしめたまま、ぼくはエントランスに立ちすくんでいた。
どうしよう。どうしよう。どうしよう。
行くなんていけない。明日はもう仕事なんだし。そや、ケンちゃんにエサやらなきゃ。
头を振って光一に会いたい思いを振り払い、ポストの中味をとりだして
ぼくは、エレベーターのボタンを押すと、エントランスを後にした。

ごめんね。光一。
行けへんよ・・・

ケンちゃんにえさをあげて、ひとしきりブラッシングしながら、邮便物を见てた。
お世话になってる人から宅配便が届いてる。そういや、CD送ると言ってくれてた。
早く取りに行かなきゃ、と思い立ち、1阶の管理人室のドアを叩いた。
「すいません、遅くに。ぼくに荷物が来てませんか?」
「ああ。ありますよ。これです」
ぼくは、小さな包みをわたしてもらった。

そのとき、マンションの前にタクシーが停まった。
マンションの住人が帰って来たところだった。ぼくも见知った芸能人の女优さんだった。
横浜の文字がタクシーに书いてある。

あのタクシー横浜へ帰るんか・・・

ぼくは・・・その瞬间、駆け出していた。

「ベイホテル行ってください」タクシーにそういって、とび乗った。
「あ、横浜のですか?」
「そう・・・あ、だめやぼく财布もってないわ」
マンションに入りかけていた女优さんが立ち止まった。
「刚君・・・・」
「あ、こんばんわ・・・」间抜けなあいさつを彼女とかわし、タクシーを下りようとした。
「すいません、やめますわ」タクシーにそう言っていると、彼女がいきなり
2万円をタクシーの运転手さんに渡した。
「行ってらっしゃい。」
「は・・・な・・・なんで?こんなことしていただくわけに・・・」
「タイミングって、あるのよ。すべての事に。今はその时なんじゃないの?」

ぼくは、まだ呆然としていた。
「これは、あたしの経験からの言叶。「あなたの选んだものに选び间违いは无い」のよ」
「・・・・」
「选んだ方に従いなさいな」
彼女は軽くぼくの背中を押した。

そして、ぼくはCDを持ったままタクシーの中にいる。
ケータイも持ってない。お金も2万だけ。
かろうじて部屋の键だけ持ってる。

「嘘やろ」
说明したら光一に绝対そう言われるね。

ホテルのロビーの声をかけようとするベルボーイをやりすごしぼくは、8017のチャイムを鸣らした。

「こおいち」光一の名を呼んだ。
なにせ部屋着で来たからはずかしい。

「こおいちっこおいち」

ぼくの声にあわててる音が中できこえてくる。
何かひっくり返したみたいな音と、はしってくる足音。

「刚っ」

ぼくの好きな声がそう呼んで、ドアが开いた。