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【日站转载】夜明け前の悪梦

只看楼主收藏回复

应该是麦子相关OTL
只是偶然看到就当增加吧里的发帖量吧


IP属地:四川1楼2011-12-03 10:32回复

     ――ちりん。
     铃の音が闻こえる。旅の途中で何度も闻いたものだ。普段はあまり気に留めないが、周りが静かになった时にだけ耳に届く。
     この控えめな音はいつも俺を安心させた。友人の存在を近くに感じることができるからだ。周りは何も见えないほどの暗暗だが、すぐ近くにあいつがいると分かる。俺は彼を呼んだ。
    「――――」
     自分の声が闻こえなかった。おかしい、もう一度。
     ――ちりん。
     铃の音がさっきよりも远くなった。俺に気付かずに离れてしまったんだろうか。すると、铃がぱしゃりと水の中に落ちたような音がした。池か何かに落としたらしい。大事なものなのに迂阔な奴だ。普段俺に兄贵风を吹かして注意するくせに、あいつの方だって意外に抜けているんだ。
     视线の先に、きらりと光るものが见えた。金色――やっぱりあいつの铃だ。暗くてよく见えないが、どうやら水溜まりに落ちているようだった。池や川じゃなくて良かった。俺は拾ってやろうと、小さな光の方に向かった。
    「……?」
     近付いていくと、铃の傍に谁かが倒れているのが见えた。
     金色の髪。
     ぎくりと肩が跳ねた。
     头をこっちに向けて、友人が倒れていた。
     水溜まりに浸された髪が水を吸い上げて、どんどん濡れていく。浊っているのか、黒く。
     俺はマイルの傍に跪いて名前を呼んだ。そのはずなのに、自分の声が全く闻こえない。铃の音は确かに闻こえたのに。
     金色の髪に手を差し伸べて、彼の身体を抱き起こそうとした。浊った水がぬるりと手を滑らせてうまく抱き上げられない。もどかしくて手のひらを自分の服で拭った。
     そして気付いた。この感触は水じゃない。泥水とも违う。手を擦り付けた腰布は黒く――赤黒く染まっていた。
     血だ。
     傍に落ちているのは铃。血に浸された、彼の宝物。この血は谁のものだ?
     唇が戦栗いた。
     何も闻こえなかったが、俺は叫んだのだと思う。喉が痛んだから。
    *   *   *
     次の瞬间、俺は自分が息を吸う音で目が覚めた。
     见惯れないクリーム色の天井。それを背にして、友人が俺を见下ろしていた。
    「……マイル」
     吐き出した声は掠れていた。
     梦だった。気持ちが悪い。汗をびっしょりかいている。
    「うん、仆だよ」
     マイルは穏やかに言うと、俺のベッドの脇に座った。窓から差し込む月明かりに照らされた金色の髪。暗に浮かぶようなそれに梦が思い起こされるような気がして、背筋が震えた。
    「起こした……よな。悪かった」
     やっとのことで告げる。マイルは首を振って、汗で额に贴り付いた俺の髪を、抚でるように掻き上げた。濡れているのに気にした様子もなく、子供にするように何度も。いつもなら子供扱いするなと言うところだが、消耗していた俺は心地良さに目を闭じた。吐き気が引いていくのが分かる。
     この梦を见るのは三度目だった。俺は确かに自分の手で冥府に堕ちたマイルを取り戻したのに、未だに彼を失う恐怖に怯えている。もう三ヶ月にもなるのに、进歩のなさに自分でも笑ってしまう。
     あの情景は俺の记忆じゃなく、后で闻いた话を総合した、言わば妄想だ。でも俺は、なぜだかは分からないが、あれが真実だと知っていた。感触がリアルだからじゃない。俺は确かにあの音を闻いた。血溜まりに落ちる铃の音。
    「実は、初めてじゃないんだよね」
     俺は惊いて目を开けた。
    「たまに君が魇されてるのは知ってた。でも知られたくないようだったから、寝た振りしてたんだ」
    「……マジか?」
     彼はマジ、と笑った。
    「でも失败だったな……、仆はてっきり、アイメルのことで魇されてるんだと思ってたんだ。小さい顷からあんなに気に病んで、今もこうして离れてて、心配なんだろうって。それは仆じゃどうにもできない。时间が必要だって」
    


    IP属地:四川2楼2011-12-03 10:32
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       俺は医者に诊断されているような気分でそれを闻いた。
      「でも违ってたみたいだ。……いや、偶然今日だけ违ったのかも知れないけど」
       まさか、と思う。いくら叫んでも俺には何も闻こえなかったのに。
      「さっき、仆を呼んでたんだよ」
       やっぱりだ。俺は项垂れた。
      「……情けないな」
       道理で起きた时に喉が痛んだわけだ。呼んだのはきっと一度や二度ではない。そういう痛みだった。
      「お前はここにいるのに、なんでこんな梦见るんだか……」
      「ねえ」
       俺は颜を上げてマイルを见た。
      「差し支えなければだけど、どんな梦か、教えて欲しいな」
      「は?」
       予想外の申し出だ。
      「そんなの闻いてどうすんだよ。他人の梦の话なんてつまんないだろ」
      「それは闻かないと分からないだろ? 少なくとも、自分が出てるってだけで兴味はあるし」
      「兴味って……あんまりいい登场の仕方じゃないぞ」
       むしろ最悪だ。でもマイルは分かってる、と言うように颔いた。こいつのことだから、话して少しでも俺が楽になればと考えているんだろう。昔からそうだった。俺がくよくよしているのを绝対に见过ごさず、容赦なく踏み込んでくる。一见控えめな申し出に见えるが、俺が断るとは全く思っていないだろう。
       起こしてしまった引け目もあるし、仕方がない。俺は梦の内容を掻い摘んでマイルに话した。暗暗で闻こえる铃の音、倒れている彼、血に濡れた铃。
      「……そうか」
       一通り话すと、マイルは低く呟いた。
      「そんな风だったのかもね。仆は覚えてないけど」
      「……やめろよ。あんなのが现実だったなんて思いたくない」
      「まあね。仆だって铃が自分の血に浸されたなんて嫌だし」
       そういうことじゃないだろ、と言おうとしたが、俺は口を噤んだ。これ以上あの悪梦に言及したくなかった。
      「あのさ、正直に言っていいかな」
      「なんだよ」
       俺が促して起き上がるのと同时に、头に置かれていた手が离れた。そこで俺は初めて、起きてからずっと抚でられていたことに気付いた。思わず颜が热くなる。あまりにも自然に受け入れていたからだ。
      「君は怒るかも知れないけど」
       その物言いに、また俺は医者のように冷静な彼の意见を闻くのだろうと思っていた。
       だが、违った。
      「嬉しかったんだ、ちょっと」
       俺は目を瞬かせた。
      「へ?」
       间の抜けた声が出た。マイルが苦笑する。
      「君が梦の中でも、仆を呼んでくれたことがさ」
      「――な」
       何を言い出すんだこいつは。
      「魇されてたのに申し訳ないとは思うんだけど」
       マイルが言うが、俺は不谨慎だと思うよりも耻ずかしさの方が大きかった。
      「ひ、人が苦しんでるのに、お前な」
      「うん、ごめん」
      「本当に悪いと思ってんのかよ……」
      「思ってるよ。でもあんな风に求められたらね」
      「変な言い方すんなっ」
       あははと軽く笑われたが、マイルが笑っていると心が楽になる。そんなに大したことじゃないと思える。いつもそうだった。あの时もそう思っていた。だからマイルがいなくなって、俺は一度駄目になった。いや、なりそうだったと言う方が正しいかも知れない。独りではなかったから。
      「眠れそう?」
      「……ああ」
       俺は颔いて横になった。が、彼はなぜか自分のベッドに戻ろうとしない。
      「……? お前も寝ろよ」
      「うん、君が寝たら寝るよ」
      「気にすんなって、もう平気だからさ」
      「そう言われてもさ、自分のせいだから気になるんだよね。――あ、そうだ」
       マイルはにっこり笑ってこう言った。
      「久しぶりに、一绪に寝ようか」
       俺は噎せそうになった。
      「なっ、何言ってんだお前っ」
      


      IP属地:四川3楼2011-12-03 10:32
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        「たまにはいいだろ? それに君が魇されても、すぐ分かる位置にいたいんだよ」
        「…………」
        「他にも理由が必要かな? それなら……」
        「ああもう分かった! 狭くても蹴飞ばしても文句言うなよ!」
        「大丈夫。意外と寝相いいんだよ、アヴィンは」
         そもそもマイルに口で胜とうという方が间违いだった。こいつが寝ると决めたのなら俺が何を言ったって无駄なのだ。
         マイルはお邪魔します、などと言って容赦なくベッドに潜り込んできた。
        「わ、あったかいね」
         言いながら卷れた毛布を俺の方まで挂けてくれる。ごろんと横になる仕草は昔みたいに无邪気なのに、俺への态度は大人びていて、今更だが何だか不思议な気持ちになった。无邪気さと坚実さが同居するのは爱されて育ったからなのかも知れない。孤児だった俺とは违う。目の前のことしか见えない、考えられもしない俺とは。
         目を闭じる。
         すぐ隣に感じる友人の気配に、俺は溜息をついた。大丈夫だ。マイルはこんなに近くにいて、俺とまだ旅を続けている。
        「ねえ、アヴィン」
         现金なことにすでに眠気に袭われつつあった俺は、意识が引き寄せられて目を开けた。
        「ん……?」
        「あ、もう眠い? ごめん、やっぱりいいや」
        「なんだよ……気になるだろ。言えよ」
         眠いのは事実だったから癪だ。マイルは静かに切り出した。
        「こんなこと、话すもんじゃないと思ってたんだけど、君ばっかり话させるのもあれかなと思って」
         彼は珍しく言い淀み、言い訳とも取れるような前置きをした。少し面食らう。
        「君が见た梦は、仆がベリアス卿の魔法に撃たれて、死んだ时のものだよね」
        「……ああ」
        「意识がなくなる瞬间のことを、仆はよく覚えてる。走马灯も见たよ。喋れもしなかった小さい顷からの出来事が、头の中にばーっと流れていくんだ」
        「へえ……すごいな」
         こんな风に自分の死の瞬间を他人に伝えることができた人间は、きっとマイルくらいだろう。
        「ああこれが噂の走马灯か、仆は死ぬのか、って思った。それで……すごく后悔したんだ」
         どきりと心臓が大きく鸣り、引き裂かれるような痛みが走った。
        「そう……だよな」
         ずっと抱いていた――今もたまに苛まれる思い。マイルを付き合わせたせいで、彼の両亲に息子の死を味わわせた上に、未だに离れ离れにさせているという罪悪感だ。
         だがマイルはそんな俺の心情などお见通しらしく、そういう意味じゃないよ、と苦笑した。
        「そんな风に君は気に病んでしまうだろう? 胜手について来ただけなのに、君の足枷になることになることが、仆は、本当に嫌だった」
         俺は慌てて隣を见た。
        「足枷なんて……、お前はずっと俺を助けてくれただろ。お前がいなかったらどうなってたかって何度思ったか分からないし、これからだって」
         マイルはくすりと笑った。
        「そう思ってくれるのはすごく嬉しいよ。でも、いつか君に迷惑を挂けることになるって分かってたのに、仆は见ない振りをしてた」
        「だから、迷惑なんか――」
        「それは君が优しいからだよ。ねえアヴィン、仆が付いて来た最大の理由、何だか分かるかい?」
        「え……」
         唐突に讯かれ、俺は狼狈えた。だが旅立つ前に闻いたことがあったから、そのままを答えた。
        「それは、世界を见たいから……じゃないのか?」
         マイルは笑みを深くして颔いた。
        「もちろんそれもある。君が心配だとも言ったよね。でもそれは最大の理由じゃない」
        「じゃあ、なんだよ」
        「毎年ネフティス様にお愿いをして、やっと手に入れた大切なものを、手放したくなかったからさ」
        「大切なもの……?」
         眉根を寄せると、分かんないかな、とマイルはおかしそうに言った。元々あまり欲のない性格の彼が、そんなにも欲しがったものなんかあっただろうか。そう思った时、友达になったばかりの顷の彼の台词が脳裏に响いた。
        


        IP属地:四川4楼2011-12-03 10:32
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           ――いいんだ、仆のお愿いは、もう叶ってるから。
           ――友达ができますように、ってお愿いしたんだよ。
           幼かったマイルの素直さに、俺は胸を打たれたんだ。でも、まさかそれが……。
          「もしかして……」
          「そう、君だよ」
           マイルはあっさりと言ったが、俺は动揺を隠せなかった。そんな风に言っていたのは俺たちが子供の顷の话だ。
          「お……俺はものじゃないぞ」
           何と言っていいか分からず、そんな顿珍汉なことを言ってしまう。すると、マイルは一瞬间を措いて、弾けるように笑い出した。
          「…………」
           间抜けなことを言った自覚があったので何も言えないでいると、マイルが笑い声混じりに言った。
          「ごめん、もの扱いしたわけじゃないよ」
          「谢るなら笑うなよな……」
          「あはは、嬉しかったからつい」
          「何が嬉しいんだよ」
          「あんまり誉められたことじゃないだろ? この年になっても友达と离れたくないなんてさ」
           俺はこの时、きょとんとしたと思う。嫌がるなんて発想さえなかった。マイルもそう思っていたんだと知って、むしろ俺の方こそ嬉しかったのだ。
          「それは俺だって思ったよ。一绪に行けたらなって散々考えたし」
          「でも君は远虑して言わなかった。その时点で仆の片思いだったんだよ」
          「片思いってお前な……俺だって我慢してたんだからな」
          「うん、分かってる。君の方が大人だったってだけだ」
          「なわけないだろ……」
           脱力して突っ込むが、マイルは苦笑しただけだった。こいつはどうも俺を过大评価している节がある。いくら言っても考え直そうとしない。
          「大体、お前はそんな卑屈な奴じゃないだろ。迷惑を挂けるって本当に思ってたら、绝対について来なかったはずだ」
           マイルは空色の目をぱちくりとさせた。
          「……参ったな。そうなんだよね。何だかんだ言って仆は谛めてたんだろうな……君と离れるなんてどうせできないって」
           独り言のようにマイルは呟いた。
          「……あのな、それ外で言うなよ」
          「何を?」
          「今まで言ったこと全部だよ」
          「はは、言わないよ」
          「……ならいいけど」
           窓の外を见ると、もう空が白み始めているのが分かった。だいぶ喋ってしまったらしい。
          「ああ、明るくなってきちゃったね。ごめん」
           俺の视线を追って、マイルが言った。
          「いいさ。溜め込まれるよりマシだからな」
          「ええ? 心外だな、溜める方じゃないんだけど」
          「吐き出すのに惯れてないだけだろ。お前は头がいいから大抵のことは理屈でどうにかできたけど、今回のは……俺に言わなきゃいけなかったんだ。たぶん」
          「……アヴィン」
          「わ、分かったら寝ようぜ。あと二时间くらいだけど」
           言ってから耻ずかしくなって、俺はマイルに背を向けて毛布を头まで被った。
          「うん。おやすみ」
           ぽん、と毛布の上から肩の辺りを叩かれる。続いて、ありがとう、と呟く声が闻こえた。礼を言いたいのは俺の方なのに、こいつはあっさりと俺の台词を夺ってしまう。でも、今回だけは――
          「俺も、ありがとな」


          IP属地:四川5楼2011-12-03 10:32
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            为何来这里的没有日文翻译帝呢【捶地】!!!


            IP属地:四川6楼2011-12-03 10:33
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              ………………跟着锤地


              7楼2011-12-03 15:23
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                口、口类瓦!?


                IP属地:北京8楼2011-12-03 18:18
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                  妹子,我不会说我看得懂一些。
                  另一些要靠翻译器


                  IP属地:重庆9楼2012-02-04 22:47
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                    好美好温暖的文!好喜欢这文中两人淡淡的暧昧感觉
                    连续梦到麦尔死去而从恶梦中惊醒的艾文和发现了艾文的异常,尽力安慰他的麦尔。
                    是说麦尔你要不要这么人妻啊啊!怕艾文又做恶梦便守在床边等他睡着,还说那次被杀死时很后悔,觉得拖了艾文的后腿,怎么可能啊啊啊!
                    还说艾文温柔,艾文再温柔也比不上你了!T T
                    只有一篇实在不够看,跪求LZ接着搬文啊啊~
                    


                    10楼2012-04-13 00:47
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                      日、日语帝么>v<
                      是日语帝求翻译【打滚


                      IP属地:四川11楼2012-04-13 20:49
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                        唔……还真没有了,就只有这一篇啊QAQ


                        IP属地:四川12楼2012-04-13 20:49
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                          汗,吧主太高看我了,我就是个半调子勉强自己能看懂,
                          而且这文写得蛮美,我要翻那真是糟蹋了啊T T
                          最怨念的就是这游戏出得早,同人文和漫都少,但经典永远是经典啊!


                          13楼2012-04-13 21:53
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                            是的TVT
                            绝对的经典啊~


                            IP属地:四川14楼2012-04-15 11:26
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