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『冻·桐花』[日文短小说]彼女に振られた彼の话

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彼にとっての大事件とその结末。ブクマコメや评価ありがとうございます!


IP属地:美国1楼2013-04-07 17:54回复
    「大事件だ」
    「マジっすか?やべーっすね。あ、おねーちゃん、八海山とたこわさ顶戴!この人にはええと何でもいいや生中もってきて」
    「闻け」
    「何スか?生中じゃなくてギネスがいいとかわがまま言わないでくださいよ。ギネスって高いんですから」
    「八海山の方がよっぽどだろ、お前どうせ一銭も払う気ないだろ」
    「突然メールよこして本文に何もなく、おや?と思って件名を见たら一言『酒』とだけ书いてあるような先辈にこうして付き合ってるだけで十分优秀な后辈だと思いますけど」
    「だから大事件なんだって」
    「あーはいはい彼女に振られました?そうですかー残念ですねーおねーちゃんモツ煮ひとつ!」
    「俺に彼女いないこと知っててそういうこと言う?」
    「だってこっちが知らない间に彼女作ってるかもしれないじゃないっすか」


    IP属地:美国2楼2013-04-07 17:56
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      「俺の私生活に何か変化があったら真っ先にお前に言ってるだろ」
      「え、なんすかそれキモイんでやめてください」
      「俺これでもガラスのハートの三十路なんでそういう暴言やめてください」
      「繊细ぶるのは生え际だけにしてください」
      「殴っていいかお前」
      「嫌です。あ、ほら生中きましたよ。ありがとおねーちゃん、ついでに焼き鸟适当に持ってきてくれる?砂肝は抜きで。この人砂肝食えないとか意味わかんないこと言うからさー」
      「黙れよお前ほら乾杯するぞ乾杯」
      「では先辈の失恋を痛んで!」
      「违うっつってんだろ、彼女いなかったっつっただろ」
      「・・・・・・八海山ってうまいっすよね」


      IP属地:美国3楼2013-04-07 17:56
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        「そうだな、俺は日本酒一気饮みする知り合いはお前しかいないわ」
        「おねーちゃん、雪中梅1合ちょうだい!で、なんですか、大事件っすか?」
        「そうだって言ってんのにお前は话を闻かねーし。お前こそどうなんだよ恋人さんと」
        「そりゃあもうラブラブに决まってんじゃないっすか何分かりきったこと闻いてんです?のろけられたいんスか?のろけられて自分の不幸と寂しさを噛み缔めたいんですか?」
        「俺ほんとお前嫌い」
        「うわ、先辈が言叶の暴力してくる」
        「お前の恋人さんに过去のお前の蛮行を洗いざらい话していいか」
        「え、こんなに品行方正な人间掴まえて何を」
        「不本意ながら10年越えの腐れ縁だぞ、谁よりもお前の耻ずかしい过去を覚えている自信ならある。お前が学部の2年生のときのクリスマスの」
        「死ね」


        IP属地:美国4楼2013-04-07 17:57
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          「あのな」
          「秃げろ」
          「おい」
          「そればらしたらそのギリギリの生え际にさらなる危机感をクリスマスプレゼントしてやる」
          「なあ」
          「はい?」
          「俺先辈」
          「それが何か」
          「よし、ここは割り勘な」
          「まあ先辈の财布はなぜかここにあるわけですが」
          「・・・なんでお前が持ってんだよ」
          「だって先辈すぐ溃れるじゃないっすか。先に预かっておかないと会计出来ないし」
          「この酒豪が・・・俺が溃れたら立て替えとくとかしろよ」
          「は?先辈と饮む时に财布を持ってくるとでも?」
          「・・・いい根性だ」


          IP属地:美国5楼2013-04-07 17:57
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            「あざっす。じゃ、谕吉ふたりいただいておきますね」
            「・・・足りるか?」
            「足りるぐらいにセーブして饮んであげます、自称优秀な后辈ですよろしく、あ、おねーちゃん金鹤1合!」
            「俺も生中」
            「あとレタスチャーハンと生ハムサラダと唐扬げ」
            「おい」
            「夕饭食ってないんでハラペコです」
            「あーもーいいよ好きにしろよ」
            「先辈と饮むときに好きにしなかったことなんてないっすけどね!」
            「まったくだ」
            「で、大事件って何があったんすか」
            「あー、俺さぁ、今までの彼女を友达に绍介とかするとよくB専っていわれてたじゃん?」
            「彼女さんにとってはなかなかの悪口ですがね。ようするに容姿のランク付けをするとAに入らないBの容姿って意味っすよね」
            「いや、恋人は中身に惹かれて付き合うもんだから别にいいし、俺から见れば一番かわいかったからいいんだけどさ。けどこの前友达に、どういう女がタイプだって闻かれて考えたんだよ」
            「はあ。今までの彼女さんたちはタイプだったんじゃないんすか」


            IP属地:美国6楼2013-04-07 17:58
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              「タイプっていうか、何、理想の女性?的な?そーゆーのはないのかって闻かれた」
              「ほうほう。それで先辈は何と?」
              「そしてここからが大事件だ」
              「引きが长いんでそろそろ闻き流していいっすか?」
              「俺ほんとお前嫌い」
              「あ、先辈やばいっす、刺身の盛り合わせにサンマ入ってる!」
              「あーあー食えよ。頼めよ。んで闻けよ。俺も生中」
              「あざっす!おねーちゃん、刺身の盛り合わせと、あと生中と真稜1合!」
              「俺の理想の女性ってことで考えた结果な、」
              「はい」
              「まずは黒髪ロングストレートだ」
              「はあ」
              「日本的な颜立ちでナチュラルメイク」
              「へえ」
              「身长はそれなりに、まぁ160くらいで、そして胸はそれほどなくていい」
              「ほお」
              「内面としてはだな」
              「うい」
              「俺とまるっきり别の分野の専门家で、日本中や世界中をあちこち飞び回ってるような奴で、俺の知らないことをいつも话のネタに出してくれるようなバイタリティ溢れるかんじの」
              「おう」
              「そして変な远虑がいらないぐらい容赦なく言い合える相手でな」
              「うむ」
              「相槌がどんどん适当になってるけど闻いてるかお前」
              「むふ」
              「よし、とりあえずそれ饮みこんでから喋れ」
              「もが」
              「そして次からはいくら煮物だからってそのサイズの大根を一口でいこうとするな」
              「うん・・・口の中で崩れるほどに煮込まれたこの大根の风味が绝妙」
              「で、つまりそういうことなわけだ」
              「先辈、思ったことふたつ言っていいっすか」
              「おう」
              「まず一つ目なんすけど、それって、」
               言われた通りにきちんと大根を饮みこんでから、彼女はてらいもなく言い切った。


              IP属地:美国7楼2013-04-07 17:58
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                「つまり先辈の理想の女性像って私だっつーことですよね」


                IP属地:美国8楼2013-04-07 17:59
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                  届いた生中を一気に呷り、それを机に叩きつけてから、彼はヤケクソのように叫んだ。颜が赤いのは断じて酒のせいである。
                  「・・・あーそうだよ!なんでだよ!なんでお前、外见も内面も俺の好みドストライクのAランク美人なんだよ!诈欺だ!」
                  「あざーっす。うーっす。チーッス。プークスクス最后の唐扬げもらいまーっす」
                  「すっげー腹立つから殴っていい?」
                  「いって!殴った!うわ殴った!セクハラ!死ね!秃げ!」
                  「いってえ!蹴るな!おま、かりにも女が蹴り!?あとその暴言やめろまじ伤つくから!」
                  「あーあー殴られたせいでお腹すいたわー、ホッケと卵焼きどっちがいいっすか?」
                  「ホッケ」
                  「つーか先辈、大事件ってもしかしてそれっすか」
                  「大事件だろ。なんで俺がこんな扱いを受けながら10年もお前と腐れ縁やってるのかやっと分かったわ」
                  「恋、ってやつっすね」
                  「そのドヤ颜やめろ、また殴りたくなるから」
                  「え、この颜好きなんでしょ?いくらでも眺めてていいですよほらほら、あ、おねーちゃん、ホッケと卵焼きと、あと真稜1合もういっかいちょーだい!」


                  IP属地:美国9楼2013-04-07 17:59
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                    「で、だ」
                    「はあ」
                    「ここからが本题なんだけど」
                    「なに、まだ本题にも入ってなかったんすか?そんなんだから彼女できないんですよ」
                    「お前の暴言にも态度にもいい加减耐性が出来てるからな、そうそうへこまないからな」
                    「言っときますけどね先辈、4年前に彼女に振られて落ち込んで夜中の2时に电话かけてきたときに一绪に海まで2时间かけて出かけてバカヤローって叫んだのも、大学の试験の日に意味もなく呼び出されて试験ほっぽり出してケーキバイキングで食べまくってグロッキーしたのも、こうして定期的に唐突に「酒」っつって呼び出されて迅速に驰せ参じるのも、私が自称优秀な后辈だからできてることですからね。先辈の人使いも相当アレっすからね」
                    「だってお前と话してると饱きないんだもん」
                    「三十路が「もん」とか言わないでください」
                    「お前に言っておきたいことがある」
                    「何スか」
                    「好きだよ」


                    IP属地:美国10楼2013-04-07 17:59
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                      沈黙は长くはなかった。
                       彼女はその自他ともに认める整った容姿を微尘も动かさず、まるで世间话の続きのような态度で肘をついて言った。
                      「・・・・・爆笑されるのと、本気で引かれるのと、どっちがいいっすか?」
                      「2択か」
                      「・・・ぶっははははははうわははははははっ!!」
                      「そして爆笑か」
                      「すっ・・・!す、好きだよって、真颜で、先辈その颜で真颜って、まじ、ちょ、やめて腹筋死ぬっははははは痛いいたいいたい!!」
                      「おーおー頬も伸びなくなってきたなぁ。ハリがないぞ、歳か」
                      「黙れ三十路、离せセクハラ、诉えるぞ」
                      「人の告白を笑い飞ばすような奴が何を伟そうに」
                      「え、じゃあ何ですか真面目に受け止めて真面目にお断りすればよかったんスか」
                      「お断りは确定か」
                      「・・・先辈、すみません、今まで私そんなこと考えたこともなくて。お気持ちは嬉しいんですけど、私にはもう彼氏もいますし、先辈をそういう対象には见られな」
                      「もういい頼む黙って気持ち悪い」
                      「ほら见ろ。だから笑い飞ばしてやった私の优しさにどうして気づかないんですかねぇ、これでも自称优秀な后辈ですよ?先辈へのフォローは完璧です」
                      「わかった・・・うん、べつに今更お前と付き合いたいわけじゃない。一応言っておこうと思っただけで」
                      「へー。男心って复雑ですね」
                      「いい。もう饮んで忘れる。で、言いたいこと2つあるって言ってたな、もう1つは何だ」
                      「ああ、あのですね」
                       そちらのほうがよほど重大な问题だと言わんばかりの真面目な颜で、彼女はメニューを広げた。
                      「値段が时価になっている酒はどこまで饮んでいいですか?」


                      IP属地:美国11楼2013-04-07 18:00
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                        その日の酒は悪くなかった。
                         彼女と饮む日はたいてい良い酒になる。彼が诱う日には远虑と财布はアパートに置いてくる彼女は、10年前も今も変わらぬ态度でおちょこをあけている。きっと10年后も変わらぬだろうと确信できるこの安心感を、运命と呼ぶべきか、腐れ縁と呼ぶべきか。
                        「よし、お前にひとつお愿いがある」
                        「何ですか」
                        「结婚式には呼んでくれ」
                        「うえー」
                        「なんだよその反応」
                        「どうせあれでしょ、お前のウエディング姿を见たいとかそういう気持ち悪いこと言う気でしょ、先辈の思考回路なんて腐るほど分かってますけど」
                        「分かってんならいちいち言叶に出すなよほんとお前嫌い」
                        「先辈が私に対して远虑とか配虑とかそういうのをしてくれるようになったら、私も先辈への対応を改めますね」
                        「ないな」
                        「ないでしょ」
                         店员が青くなるほどの量を饮み続けているくせに、まったく変わらぬ白い頬。雪国育ちのその頬に、赤い唇で弧を描いて、「いいですよ、呼んであげましょう」と伟そうに。
                        「理想の女が一番绮丽になった姿を、せいぜいじっくり眺めるがいいわ」
                         翌月に结婚式を控えた彼女は、彼に未练をひとつも握らせずに胸を张って笑った。
                        「お前ほんとイイ女だな」
                        「何を今更当然なことを」
                         一度だけハグをしていいかと闻けば、踌躇いも容赦もなくきっぱりすっぱりお断りされた。
                         その优しさに礼を言う代わりに、时価の日本酒を追加してやった。


                        IP属地:美国12楼2013-04-07 18:00
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                          -END-


                          IP属地:美国13楼2013-04-07 18:01
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