寿美幸吧 关注:36贴子:1,621
  • 6回复贴,共1

名探侦真帆!?

只看楼主收藏回复

1 真帆の部屋で…

 パラパラ…
 流行物が大好きで、ブランド物の服やアクセサリーなどが大好きな少女、白雪真帆が次は何を买おうかなぁと考えながらカタログを読んでいる。
 (うん、これもいいな。あ、でもこれもいいかも。う~~ん、迷っちゃうなぁ)
 真帆が楽しそうにカタログを読んでいると、トントンと自分の部屋をノックする音が闻こえる。
 「うん、谁~」
 すると扉の向こうから自分と似たような、でも自分よりも穏やかな声が帰ってくる。
 「私です。入ってもいいですか、真帆ちゃん」
 「うん、いいよ」
 自分がそう返事をするとドアを开けて姉が入ってくる。相変わらず自分とは全然趣味の违うフリルのついたピンクハウス系の可爱い服着ている。
 「ちょっとお愿いがあるんですが……いいですか?」
 「お愿い?珍しいね、姉さんが」
 真帆がカタログを置いて本当に珍しく自分にお愿いをする姉にちょっと不思议そうな表情を浮かべてしまう。
 「はい、真帆ちゃんは私がこれに応募している事は知っていますか?」
 そう言って美帆が差し出した雑志を见て真帆がうなずく。确かに知っている。自分の姉、白雪美帆が中学の终わり顷から热心に投稿している雑志だ。美帆は実际に何回か赏ももらった事もある。姉には幻想小说を书く才能があるんだなぁと真帆は薄々思っている。しかし、白雪真美と言うペンネームはやめて欲しいと思っている。何でも自分の名前の「美帆」と真帆の名前の「真帆」の头の2文字を取ったらしいが、自分は何も手伝いをしていないのだから使われると少し耻ずかしい。
 「知ってるよ。また応募するの?」
 「いえ、その……実はお仕事をいただきました」
 姉がちょっと照れ臭そうにそう言うので真帆が惊いてしまう。

 「ええーーーー!!それって超すごいじゃん!!」

 「は、はい」
 「それで、それで」
 「はい、ほぼ书きあがったんですけど、もう少しゆっくりと考えたいところがあるんです。」
 「うん、まぁそうだね。姉さんって作品に妥协しない感じだし」
 「それでその……真帆ちゃん、私の代わりにひびきの高校に行ってくれませんか?」
 「ちょっとタンマ。どうして姉さんが小说をゆっくり考えるのに私がひびきの高校に行かなくちゃいけないわけ?」
 「それは私が明日はひびきの中央公园でゆっくりと小说を考えるからです」
 「だったら学校を休めばいいじゃん」
 「あまり学校を休むのは良くないと思います」
 「いや、まぁそれはそうなんだけど。でも私が姉さんの学校に行ったら私がきらめき高校を欠席しないといけなくなるじゃん」
 「そうですね。それでは电话は私がしておきます」

 「私は休んでもいいワケ!」

 姉のちょっと理不尽な言叶に真帆が怒ってしまうと、美帆が笑ってしまう
 「いえ、冗谈です。真帆ちゃん、明日はきらめき高校の创立记念日ですよね」
 そう指摘すると、姉の言叶の正しさに真帆もぐうの音が出なくなる。
 「う、そうだけど」
 「それじゃあ私の学校に行くのにきらめき高校をお休みする必要もないじゃないですか」
 「ま、まぁそうだね。でも私にも予定があるって言うか……」
 「朝日奈さんと何か约束でもされているんですか?」
 「いや、明日は违う友达。……でもまぁいいよ、オーケー。引き受けてあげる」

 「え、本当ですか?」

 「本当だよ。まぁひびきの高校の制服も结构可爱いし一度着てみたかったから」
 「きらめき高校の制服もとてもいいと思いますよ。真帆ちゃんに良く似合ってます」
 「ありがと。でも姉さんもひびきの高校の制服、よく似合うよ。姉さんの清楚で可爱い感じが出てる」
 「フフッ、ありがとうございます」
 「御礼を言われてもねぇ。私达双子で同じ颜なんだから结局自分を褒めてるのかなって言う気になっちゃって复雑だな」
 「私と真帆ちゃんはやっぱり违うと思いますよ」
 「まぁそうなんだけどね。じゃあ私らしく着させてもらってもいい?」
 「真帆ちゃんらしくですか」
 「うん、胸の所をタイじゃなくてきらめき高校みたいにリボンにさせてもらうね」
 「それは构いませんが……」
 「あと、姉さんと入れ替わるのに何が必要かなぁ。う~~ん」
 真帆がちょっと悩んでしまうと、美帆がうなずく。
 「そうですね、私の亲しい人を覚えておいてください。クラスメイトで由贵と言う方がおられます。いつも私は由贵さんの今日一日の运势を占っていますから真帆ちゃんも由贵ちゃんに会ったら占ってあげてください」
 美帆の言叶に真帆が慌ててしまう。
 「ちょ、ちょっと待って。私占いなんて全然わかんないよ」
 「大丈夫です。真帆ちゃんが思ったことを言えばいいだけですから」
 「それじゃあ由贵って言う人に「今日のあなたの运势は超最悪」って言ってもいいの?」
 「その辺は真帆ちゃんにお任せします。由贵さんがその占いを闻いて一日をどう过ごされるか、その辺りの事を考えながら答えてあげてください」
 「……わかったわよ。ちゃんといい运势だって言うわよ」
 「真帆ちゃんは本当に优しいですね」
 「……姉さんには负けるわよ」
 姉の言叶にちょっと真帆が膨れてしまう。自分が姉に対して绝対に敌わないと思うのはこう言う点だとわかるから。
 「他にも私に占って欲しいと言って来られるでしょうけど、真帆ちゃんにお任せします。タロットカードの予备でしたらありますから后で渡しますね」
 「うん、お愿い」
 「あとは……そうですね、この方には决して変な受け答えをしないでください」
 


1楼2008-02-07 11:13回复
    そう言って美帆がパスケースを取り出し、パスケースに入った写真に写っている男性を指差して真剣な表情でそう言うので一瞬、真帆が绝句してしまう。
     「え、この人って。もしかして姉さんの彼氏?」
     「そ、そんな。まだ私は吉冈さんとは何度か一绪にお买物や公园に行っただけです。とても付き合ってるなんて……」
     姉が真っ赤になってそう言うので真帆が姉が见せてくれた写真をジッと见てみる。结构カッコいい。
     「结构カッコいい人だね」
     「そ、そうですか?」
     「それでどんな人なの?」
     「同じ演剧部の方です」
     「ああ、そうなんだ。それでクラスメイトなの?それとも违うの?」
     「クラスは违います。必死に妖精さんにお愿いしたんですけどダメでした。でも来年は一绪のクラスになりたいって思います」
     そう言った姉の表情があまりにも真剣なので真帆もちょっと応援したい気持ちになってくる。実际姉が谁かを好きになるなんて真帆は考えもしなかったことだ。妖精さんとお话したり、占いやおまじないに凝ったり(しかも実践の方を)、幻想小说を书くのに没头したり、一人でフラフラと公园で何时间も散歩をしたり、ととても一般の恋に勉强にと言う高校生とはかけ离れているので正直姉は恋など出来ないのではないかと心配していたので。
     「まぁわかった。それじゃあ引き受けるけどまぁ私に任せて!この人が姉さんをうんと好きになるように顽张るから」
     真帆がドンと胸を叩いて頼もしく请け负うと、美帆がフルフルと首を振ってしまう。
     「いえ、そう言ったことはしないでください。真帆ちゃんに助けて欲しいから言ったんじゃないんです。私は吉冈さんの事を本当に好きですし、吉冈さんにも私のことを好きになって欲しいと思います。でもそう言ったことは自分で顽张らないといけないと思いますから」
     姉の相変わらず坚い返事に真帆が少々肩が凝ってしまう。こう言う点が男の子と付き合えない理由の一つじゃないだろうかとも思うが口に出しては言わない。
     「まぁそうだけど。でも别に悪い事をするわけじゃないんだし」

     「いいえ、绝対に吉冈さんには何もしないでください!」

     (姉さん、マジだ)
     「わかった。でも吉冈さんと话す机会があったら无视しないよ。それはもちろんオーケーだよね」
     「当たり前です。无视なんてしたら吉冈さんがどう思われるか……」
     「まぁ任せて。上手くやるよ、多分」
     「お愿いしますね。もしも上手く言ったらVKの伞を差し上げますから」
     「姉さん、また悬赏で当てたの?」
     真帆が低い声でそう寻ねると、美帆がニッコリと微笑んで、
     「何の事でしょうか?」
     そうつぶやくのであった。その姉の微笑を见て真帆は思う。绝対に自分は姉には敌わないと。




    2 名探侦の助手

     「おはよう、美帆」
     「あ、おはようございます、玲子さん」
     「おはよー!美帆」
     「はい、おはようございます、今日子さん」
     (うん、バッチリバッチリ。昨日姉さんにもらった写真で友达の名前は完璧に覚えたもん。いやぁ、私って勉强で単语とか年号とか覚えるのって超苦手だけど人の颜を覚えるのって一発なんだよね。どこかでこの特技、使えないかなぁ)
     「おはよー、白雪さん」
     明るく少年っぽい男子の声が真帆の鼓膜をくすぐり、振り向くと自分とさほど背丈の変わらない男子生徒が立っている。この男子生徒も姉から闻いている。ひびきの高校一の情报通と言われている坂城匠だ。昨夜、姉からくれぐれも坂城さんとは口を利かないように!と钉を刺された。何でも自分が坂城さんと话したら绝対にボロが出るかららしい。しかしそういわれるとつい话したくなってしまうのが人情である。
     「あ、おはようございます。坂城さん」
     うん、姉さんの天使の微笑み&美帆ボイスで返事をしたから绝対に完璧。バレっこないね!
     「あれ、今日の白雪さん、いつもと违うね」
     (ウソッ!マジ!何で今の挨拶だけでそんな事がわかるの!)
     真帆がそんな事を考えていると、匠がちょっと美帆を见て、纳得したようにうなずく。
     「ああ、今日は白雪さん、リボンなんだ。それでちょっとイメージが违うって思ったんだ」
     「え、あ、ああ、そう言う事ですか」
     「うん、でもリボンも似合ってるよ。今度からリボンにしてみたらどう?」
     「そうですね、考えてみます」
     「うん、考えといて。あ、それじゃあ」
     そう言って坂城匠が自分の教室へと向かう后姿を见て真帆がホッと胸を抚で下ろしてしまう。
     (ふぅ、何とかごまかせたか。しかし中々锐いね、あいつ。ウチの高校の早乙女好雄といい胜负かも)
     そう考えながら真帆が下駄箱に靴を入れ、上履きに履き替えて自分の教室に行こうとしてふと気付く。
     (2年3组ってどこにあるのよ!)
     姉にクラスは教えてもらったし、座席の位置まで教えてもらったのに教室の位置を闻いていない事に気付き、真帆がちょっとどうしようかと思ってしまう。しかしここで谁かにクラスを闻いたりしたらどう见ても自分を美帆とは见てくれないだろう。
     (あーーー、どうしよう、どうしよう!)
     真帆が悩んでいると、
     「あ、白雪さん、おはよう。どうしたの。こんなところで?」
     自分に朝の挨拶を挂けてくれる声が闻こえ、真帆が振り向くと、谁あろう昨日姉から见せてもらった写真と同じ人物、吉冈君だった。
     (うん、写真よりも1.3倍ぐらいカッコいい)
     心の中で失礼な事を考え、
     「あ、おはようございます。あの、ちょっといいですか?」
     「え、うん、いいけど」
     「その……教室まで一绪に行ってもらえませんか?」
     (私の言叶に吉冈君が不思议そうな颜をしている。まぁ当然だけど)
     「いえ、実は今日の占いでクラスに行くのにあなたと一绪に行けば悪い事が起こらないって出たんです。ご迷惑でしょうけど、よろしかったら…」
     「ああ、占いか。うん、いいよ。どうせ隣のクラスなんだし」


    2楼2008-02-07 11:15
    回复
      そう言って吉冈君が真帆の隣を歩く。歩く速さはとてもゆっくりで真帆にとっては遅すぎるくらいだが多分姉の速さに合わせているんだろう。それだけを考えてもこの吉冈という人は好感が持てるかもしれない。しかし、真帆はもう一つ気付いている事がある。
       (私と吉冈君が歩いてるのを见てる人がいる)
       自分に対して向けられている视线に真帆が気付いてしまう。その视线は自分の后ろから来ている。チラリと见たがショートカットの赤い髪の女の子でとても活発そうな感じだ。しかしその両目にはちょっと嫉妬がこめられているような気が真帆にはする。しかもそのこの隣を歩いている、空色のロングヘアーが印象的な背の高い女の子も非难がましい目で私と吉冈君の方を见ている。
       (ふ~~ん、そういう事か。姉さんも厄介な人を好きになっちゃったわねぇ)
       しかし、姉の事だからこの吉冈という人に好意を抱いている人は自分しかいないと思っているのではないかと真帆が考えてしまう。美帆は一途なところがあるから周りがあまり见えない点がある。ここは……
       (よし!今日一日吉冈君に张り付こう。そして私と吉冈君を见てる女の子を见る。今日の私の任务はこれだね。それにこれが上手くいって姉さんに报告すればもしかすると伞だけじゃなくてバッグももらえるかもしれないし)
       真帆がそんな风に「VKブランド品ゲットだぜ!」计画を立案し、今日一日吉冈君に张り付いて何とか彼に好意を持つ女の子をあぶりだそうと思うのであった。


       一时间目の休み时间。
       真帆が隣のクラスである2年2组に行き、教室の扉に立っている男の子を见つける。
       「あ、すいません。ちょっといいですか?」
       真帆が声を挂けると、男の子がちょっとビックリしたような表情を浮かべて自分を指差してしまう。
       「えっ、俺っ!」
       「あ、はい、そうです。ちょっといいですか」
       「う、うん。なななな何か用かな?」
       (どうしたんだろう、この人。颜真っ赤にしちゃって)
       真帆は姉から何も闻いていないので知らないのだが彼こそ谁あろうひびきの高校一女性が苦手な男子生徒、穂刈纯一郎である。
       「はい、ちょっと吉冈さんに用事があるんですが呼んでもらえますか?」
       真帆の言叶にまるで机械仕挂けの人形のように首を縦に振り、
       「あ、ああ、吉冈ね。ちょ、ちょちょちょちょっと待ってて」
       手と足を同时に踏み出して教室の中に入っていくので真帆が(面白い人だな~)と思ってしまう。そして纯一郎が吉冈君の前に行き、何か会话を交わすと、吉冈君が美帆の方に歩いてくる。
       「どうしたの、白雪さん」
       吉冈君が真帆に寻ねると、精一杯申し訳なさそうな表情を作って、
       「すいません。今日英语の辞书を忘れてしまったんです。もしお持ちでしたら贷していただけませんか?」
       辞书を贷してくれないかと寻ねると、吉冈君がうなずいてくれる。
       「うん、いいよ。でも珍しいね、白雪さんが忘れ物をするなんて」
       「昨日确认したつもりなんですけど。学校に来て见たら持ってきてなくて…」
       「そうだね、うっかりそういうこともあるよね。ちょっと待ってて。取ってくるから」
       そう言って吉冈君が自分の机に向かっていくのを见ながら真帆がすばやく今の自分を见ている视线をチェックする。
       (さっきの赤い髪のショートカットの女の子が廊下の端から覗いてる。ふぅん、彼とは违うクラスなんだ。あ、さっきの空色のロングヘアーの背の高い人が相変わらずその子の隣にいる。ふぅん、二人は结构仲がいいんだね。うん、あっちにもいる。私を见てる人が……)
       真帆がチラリと视线を向けると、それに気付いたのかパッと廊下の反対侧に隠れた女の子がいる。早くてよくわからなかったがおかっぱの髪形で髪の色は绿がかっていたような気がする。
       (もしかしてあの子もかな?)
       真帆がそんな事を思いながら吉冈君が来るのを待っていると、タタッと駆け足で吉冈君が英语の辞书を持ってきてくれ、
       「ゴメン、待たせちゃって。はい、これ辞书」
       真帆に辞书を手渡すと、真帆が丁宁に御礼を言う。
       「ありがとうございます、无理なお愿いをして。あの、いつお返しすればいいですか?」
       「いつでもいいよ。白雪さん、今日の放课后演剧部の练习に出る?」
       (あ、どうしようかな?あんまり练习してボロ出すとまずいかもしれないし。……うん、今日はクラブはお休みさせてもらおう)
       「すいません、今日はちょっと用がありまして演剧部の练习には出ないつもりなんです」
       「あ、そうなんだ。う~~ん、それじゃあいつでもいいよ。白雪さんが都合のいいときに俺の机の上に置いておいてくれればいいから」
       「そ、そんな、胜手に置いておくなんて申し訳ないです。ちゃんと御礼を言って返させて下さい」
       真帆が必死にそう言うと、吉冈君がうなずいて、
       「うん、わかった。それじゃあ……昼休みでいいかな?」
       「はい、昼休みにお返しにあがります」
       「うん。でも白雪さんって本当に几帐面だね。俺って结构いい加减だから白雪さんを见习わなくちゃ」
       「そんな、私なんて全然ですよ。吉冈さんの方がずっと几帐面だと思います」
       「ハハハ、そんな事ないよ。…あ、引き止めてごめん。それじゃあまたお昼に」
       「はい、失礼します」
       真帆が头を下げて自分の教室に入ろうとすると、さっき自分の方を见ていたおかっぱの髪形で髪の色が绿の女の子がやはり自分を见ている。
       (ふぅん、あの子もやっぱり彼の事が好きなんだ)
       真帆が密かに确信を持って自分の教室に入ると、自分にニコニコと笑颜を浮かべて声を挂けてくる友人が待ち构えていた。
       「ふっふっふ、美帆ってば今日は大胆じゃん」
       今日の朝、自分が占ってあげた美帆のクラスメイト、安藤由贵が豊かなウェーブの挂かった髪を揺らしながらニヤニヤと笑ってそう言うので、真帆もちょっと耻ずかしくなってしまう。さすがに今のは自分でも演技が臭すぎなかったかと思ったのだ。しかし姉なら多分ああしているだろうなと十二分に考えたのだが。
       


      3楼2008-02-07 11:16
      回复
        「大胆ですか?」
         真帆がわからないといった表情を浮かべると、由贵が肘で真帆の腕を小突いてくる。
         「またまたとぼけちゃって~。美帆が吉冈君のこと好きなのってミエミエだよ。わざわざ好きな人に辞书を借りに行くなんて美帆も结构やるじゃん」
         (あらあら、姉さん、クラスの人にメチャ気付かれちゃってるじゃん)
         真帆がちょっと姉に同情しながら、
         「ですけどクラスの人に借りるわけにはいかないですから」
         あくまで冷静に答えると、
         「だったら美幸に借りに行けばいいじゃん。美帆、美幸とは一番仲がいいでしょ」
         (美幸……ああ、寿美幸さんだね。姉さんからもらった亲しい友人リストに入ってた。いつも前向きで决してめげない人だって)
         「そうですね、ですけど寿さんは多分辞书を持っておられないでしょうし…」
         「あ、それもそうだね。でも美帆が男の子に借りに行くなんて大胆だよね。私、ちょっと美帆のこと见直したかもしんない」
         「そんな、私はただ辞书を借りただけですよ」
         「ううん、だって美帆、いっつも廊下で吉冈君とすれ违ってもうつむいたまま颜をあげないし、演剧部の部活でも吉冈君とは灭多に话さないでしょ」
         「はい、そうですね」
         (姉さん、じれったすぎるわよ!)
         心の中でちょっと姉に文句を言いながら努めて平静に真帆が答えると、由贵が真帆の胸のリボンを指差し、
         「美帆、今日はネクタイじゃなくてリボンにしたんだね」
         そうつぶやいて真帆を见て、
         「ねぇ、どういう心境の変化?何かあったんでしょ、自分を変えたいとか?」
         そう寻ねてくるので真帆がどう答えようか迷ってしまう。
         「べ、别に何もないですよ」
         「嘘ばっかり!今日の美帆、いつもと感じ违うよ。确かにいつもの美帆だけど、何だかちょっと楽しそうだもん」
         (うわぁ、やっぱりバレちゃってるんだ。まぁこの由贵って子はクラスメイトだし、姉さんと一番仲がいい友达だもんね。まぁバレても仕方がないか)
         「……わかりました。それじゃあ次の休み时间にお话します」
         「えっ!?やっぱり何かあるの?」
         「それも次の休み时间にお话します」
         「オッケー!それじゃあ次の休み时间に」
         そう言って由贵が自分の席に戻っていくのを见ながら真帆が心の中で
         (うん、明るいけどよく気がついて优しい人だな。…彼女だったら话してもいいかな)
         自分の事を打ち明けてもいいかなと思うのであった。


         そしてあっという间に2时间目の休み时间。授业が终わるなり由贵が真帆の席まですっ飞んでくる。
         「さ、闻かせて、美帆」
         真帆の前に座ると、开口一番そう言うので、真帆もついおかしくなってしまう。
         「はい、それじゃあちょっと出ましょうか?」
         「え、ここじゃダメなの?」
         「あんまり他の方に闻かれたくないので」
         「なるほど、私と美帆だけの秘密って訳だね。うん、いいよ。それじゃあ……ついてきて」
         そう言うと由贵が真帆の手を取ってちょっと急ぎ足で廊下を駆け出し、そして阶段を駆け下りて目标の场所に向かう。
         「うん、ここならいいかな」
         ちょっと廊下の端で特别教室の前。ほとんど人がいない场所だ。确かにここなら谁にも闻かれないかもしれない。真帆がちょっとあたりを见回し、人がいないのを确认して
         「実はですね……」
         由贵の耳に手を当てて小さな声で自分が今日このひびきの高校に来る事になったいきさつをかいつまんで说明すると、由贵がちょっとビックリしたような表情を浮かべてしまう。
         「ウソッ!マジ!美帆って双子だったの!」
         できるだけ小さい声でそう惊くと、真帆がうなずいて、
         「うん、本当なの。今日ひびきの高校に登校してるのは姉さんじゃなくて妹の白雪真帆なの」
         真帆がいつもの自分の话し方に戻してもう一度说明すると、由贵がうなずき、もう一度マジマジと真帆の颜を见つめる。
         「信じられない。本当に同じ颜だ」
         「私だって多分自分と姉さんが并んでたらどっちが自分かわからないと思う」
         「そっか。……でも真帆、どうして美帆と入れ替わったの?ただ面白いからってだけじゃないでしょ」
         「……由贵、锐いね」
         「まぁ美帆と付き合ってるとね。美帆っていつもあんな感じだからこっちがしっかりしてあげないとって気になるじゃない」
         「ははっ、言えてる。うん、これからも姉さんをよろしくね」
         「まぁ任せて。私も美帆好きだし、一绪にいると楽しいしね。……おっと、今は真帆に质问してるんだよ」
         「そうだったね。……私が姉さんと入れ替わったのは本当は姉さんの言叶に何かを感じたからかな」
         「感じる?」
         「うん、姉さんの言叶に何だかちょっと违和感を受けてね。あ、别に私がそう思っただけだよ。本当に姉さんが悩んでるんじゃないかもしれないし…」
         「美帆が悩んでる、か。うん、もしかしたら美帆、あなたに助けてってSOSを送ったのかもしれないね」
         「そうかな?」
         「うん、私ってそういうこと结构信じやすいんだ。双子は共鸣するとか、そういうこと」
         「ははっ、やっぱり姉さんの友达だ」
         「あ、马鹿にして。私はこの直感で事故に遭わないですんだ事もあるんだよ」
         「へぇ、どんな事?闻かせてよ」
         「うん、いいよ。あれは私が小学5年生の时……」
         こうして白雪真帆はひびきの高校で初めて友达を得たのである。そしてこれからも真帆と由贵は休みの日など、よく一绪に出挂けたりするんだけど、それはこの话では関系がないので割爱♪


        4楼2008-02-07 11:16
        回复
          3 美帆への报告书

           3时间目の休み时间。白雪真帆が自分の机の上に开いたノートにシャープペンシルを走らせると、向かい侧に座っている由贵が违う违うと忠告する。
           「だから水无月さんは阳ノ下さんの亲友なの。吉冈君の事を好きなんじゃないって」
           「そうですか?なんだか私と吉冈さんが话しているのを怖い颜で见ておられましたが…」
           「だからそれは吉冈君と美帆を怒ってたんじゃなくて、光のために怒ってたんだって。有名だよ、水无月さんと阳ノ下さんの仲がいいのは」
           実は现在、先ほど真帆が吉冈君に好意を持っている姉さん以外にいる?と寻ねると、由贵がニッコリと笑って请け负ってくれた。そして真帆が自分と吉冈君が一绪にいるときに自分と吉冈君を见ていた人の姿かたちを说明すると、由贵が名前を教えてくれ、现在、吉冈君人间相関図を作成中なのである。
           「なるほど。それじゃあ水无月さんは别に吉冈さんの事はちっとも好きじゃないんですね」
           「う………」
           真帆の质问に由贵が少しためらいを见せる。実は由贵は吉冈君と水无月さんのツーショットをたまたま目撃した事がある。别に他爱无い世间话をしていただけなのだが、その时の水无月さんのいつも光が一绪の时には见せない柔和な表情が妙に记忆に残ってしまった。
           「ないんですね」
           真帆がもう一度念を押すと由贵が降参と言う感じで両手を挙げ、今自分が真帆に言われて思い出した事を说明する。そして真帆が闻き终え、フムフムとうなずきながら吉冈君人间相関図に水无月琴子から吉冈君へ密かな片想いと言う线を引くのであった。
           「あと、もう一人気になった人がいるんですけど」
           「え、他にも吉冈君を好きな人っているの?」
           「はい、佐仓さんの隣にいた人なんですけど……」
           そう言って真帆が佐仓枫子の后ろにたってちょっと寂しそうに自分と彼を见ていた背の高い少女のことを说明すると、由贵がうなずく。
           「うんうん、それって八重さんだよ。八重花桜梨さん。绮丽な人でしょ」
           「そうですね。すごく绮丽な人だと思います」
           「うん、八重さんって灭多に笑わないんだけどたまにすごく子供っぽい笑いをするんだ。佐仓さんと话してるときとか吉冈君と话してるときとかに。それで思うんだけど八重さんも绝対に吉冈君に惚れてるね」
           「……结构ライバルが多いですね」
           真帆が半ばため息をつくようにそう漏らしてしまう。これだけ彼を好きな女の子がいるとは姉の前途はなんて多难なのだろう。
           「吉冈さんは谁か特に付き合っている人はいるんですか?」
           「さぁ、闻いた事はないけど。吉冈君ってカッコいいし、勉强もできるし、运动神経もいいけどなんていうのかな、変に要领が悪いんだよ」
           「要领が悪い、ですか?」
           「そうそう、そんなに必死に顽张らなくてもいいのに顽张ったりしちゃうところとか。この间だって演剧部の活动がない日に美帆と一绪に夜遅くまで扫除してたんだよ。そんなの谁にも頼まれてないのに」
           「へぇ~~、そう言えばこの前姉さんが夜遅くに帰ってきたときがあったっけ。疲れてたみたいだけど楽しそうだったな」
           「うん、多分その日だよ……って、话し方话し方!」
           「あ、すいません。そうですね、ありました」
           「そうそう。要するに吉冈君って一言で言えば顽张りやさんなんだよ」
           「顽张りやさんですか」
           真帆が由贵の言い方にクスリと笑ってしまう。最近、『顽张りやさん』なんていう言叶をは灭多に闻かないような気がしたのだ。女の子の前でだけ顽张るとか追い诘められてから必死になる人はたくさんいるんだけど。
           (そう言えば藤崎さんの幼なじみもそんな人だな……)
           自分が通っているきらめき高校で友人であり、学园のアイドルでもある藤崎诗织と言う女の子がいる。彼女の幼なじみもとても前向きで何事にも一生悬命で本当に『顽张りやさん』と言う言叶が似合う男の子である。実は自分も一时期好きになっていたのだけど、彼が全く诗织以外には目を向いていない事がわかってすぐにあきらめた。彼のそういう一途を好きになった自分に気付いてしまったので。つまり自分が彼を好きになったのではなく、ただ人を好きになれる人に憧れていただけだとわかったから。今は彼と诗织が一日でも早くお互いの気持ちに気付いて付き合えればいいなと思っているのだが、诗织と彼はどうもお互いにすごく钝感で相手が自分の事をどう思っているのか全く気付いていないようである。
           (まぁ今はきらめき高校の事は置いておいて……)
           真帆が気持ちを切り替え、现在の状况を确认する。
           「でも本当のところ、吉冈さんは谁が好きなんでしょう?」
           「やっぱ美帆じゃない?」


          5楼2008-02-07 11:17
          回复
            「え、本当ですか!?」

             真帆がまるで自分の事のように喜色を表すと、由贵も嬉しくなってしまう。
             「まぁ吉冈君が阳ノ下さんや佐仓さんとデートをしたって言うのも闻かないしね」
             「姉さんは2,3回吉冈君と出挂けたって言ってたけど」
             「うん、らしいね」
             「それじゃあ、脉ありと考えていいんですか?」
             「う~~ん、どうなんだろ。私も吉冈君じゃないしね」
             「それもそうですね」
             真帆がちょっと落ち込んでしまうと、由贵がポンポンと肩を叩き、
             「でも、真帆が今日の事を美帆に伝えれば美帆もちょっとは焦るかもね。そしたら美帆もちょっとは积极的になって吉冈君との仲も进展するかもしれないし……」
             真帆を励ますと、真帆がうなずきながら、
             「由贵、今真帆って言ったでしょ」
             小さな声で指摘すると、由贵が慌てて口をふさいでしまい、その由贵の様子を见てつい真帆が笑ってしまうと、つられて由贵も笑ってしまう。そんな二人の楽しそうな様子が気になったのか、他の女の子が真帆の近くにやってくる。
             「どうしたの、美帆。由贵と随分と楽しそうじゃない」
             そして自分に声を挂けて来てくれたショートのサッパリした髪型が似合うちょっとボーイッシュな感じの女の子、小野こずえに真帆が微笑み返す。
             「ちょっと由贵さんと励ましあってたんです。これからも顽张ろうって」
             「あ、なるほどね。そうだ、美帆、ちょっと占ってくれない。今日私ちょっと嫌な予感がするんだ」
             「いいですよ。ちょっと待ってください」
             そう言って真帆がカバンに今のノートをしまって、代わりに昨日美帆から贷してもらったタロットカードを取り出してこずえの占いを始めるのであった。




            4 美帆への报告

             「……とまぁこんなところかな?」
             その日の夜。
             お风吕上りでパジャマに着替えた真帆が美帆の部屋に来て今日一日のひびきの高校での出来事を报告すると、美帆がうなずいて
             「そうですか。ありがとうございます、真帆ちゃん。わざわざ调べてくださって」
             真帆の书いた吉冈君人间相関図を受け取って御礼を言うと、真帆が照れてしまう。
             「いやぁ、そんな礼を言われることじゃないけど」
             「いえ、真帆ちゃんが私のためにしてくれたんです。とても嬉しいです」
             「あはは、やめてよ。くすぐったいよ」
             「でも不安ですね」
             そう言って美帆が「はぁ…」とため息をついてしまう。何せ今まで吉冈君に対して好意を持っている人がいるなんて思いもしなかったのにいきなり4人もの女の子(阳ノ下光、水无月琴子、佐仓枫子、八重花桜梨)が彼の事を自分と同じように密かに思っていると知ったのだから。
             しかし、真帆はそんな自分の姉を见てこともなげに言ってしまう。
             「じゃあ、あきらめる」
             「え?」
             「吉冈君を好きな人って他にもたくさんいるってわかったでしょ。じゃあもしも姉さんがあきらめたら吉冈君は他の人と付き合えるじゃん。その人のために姉さんは吉冈君を好きになるのはあきらめる?」
             「………」
             「それができるんだったら多分姉さんは吉冈君の事を好きじゃないよ」
             「…はい」
             「私はそうだったけどね」
             「真帆ちゃん?」
             「あ、いいの、それはこっちの话。姉さんが吉冈君を好きになったのには色んな理由があると思うけど、だからとかそう言った言叶じゃなくて姉さんは吉冈君の事をどう思ってるの?」
             「そ、それは……」
             美帆が颜を真っ赤にして返事が出来なくなってしまうと、真帆が心の中でうなずいてしまう。
             (その気持ちを忘れなければ大丈夫だよ、姉さん。きっとひびきの高校の伝说の钟が姉さんとあの人を祝福してくれるよ♪)


            6楼2008-02-07 11:17
            回复
              哇塞!XXX调查全书?看来真帆可以去当好雄2号了。美帆抢得过她们吗?


              IP属地:上海7楼2008-02-07 18:08
              回复