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1月3日。
 正月の喧騒もやっと纳まってホッとしている日。
 ひびきの高校野球部に所属している彼が自宅の电话からの呼び出し音に、
 (また新年の挨拶かな)
 新年の挨拶のために电话がかかってきたのだろうと思って受话器を取り、自分の名前を名乗ると、
 『あの、佐仓と申しますが……』
 受话器から闻きなれたかわいい声が闻こえてくるので彼もすぐに反応してしまう。
 「あ、佐仓さん。俺だよ」
 彼がそう言って电话の相手に自分のことを告げると、佐仓枫子が安心したように返事をしてくれる。
 『あなただったんだ。久しぶりだね~』
 「うん、久しぶりだね。あ、あけましておめでとう、佐仓さん」
 『え?あ、いっけな~~い、新年なんだよね。あけましておめでとう』
 「今年もいい年にしたいね」
 『うん、いい年にしたいね』
 电话の向こう侧から闻こえてくるかわいらしく、元気な枫子の声に彼の声もつい弾んでしまう。
 电话の相手は佐仓枫子。彼が所属しているひびきの高校野球部のマネージャーだったのだが、家の都合で夏に転校してしまった。
 それからもこうやって电话で话をしたりしてくれるのだけど、年が明けてすぐに电话が来るとは彼も思ってもいなかった。
 いつもは彼から电话を挂けるのがほとんどで枫子から电话をしてくれたのも初めてのことなので。
 「最近寒くなってきたけど佐仓さんは风邪なんか引いたりしてない?」
 『私は大丈夫だよ。あなたも大丈夫?』
 「うん、俺は元気だよ。あ、そうそう、野球部のみんなも顽张ってるよ。秋の大会も惜しいところまで行ったんだけどね」
 『あ、新闻を见たから知ってるよ。ひびきのは准々决胜で负けちゃったんだよね』
 「そう。准々决胜で负けたんだ。でも、后一点差だったし、すごく悔しかったよ」
 『そうそう、惜しかったよね。う~~ん、悔しいなぁ』
 「はは、佐仓さんがそんなに悔しがらなくても」
 『でもでも、悔しいんだモン』
 「そりゃ悔しいけど。でも今度は绝対に顽张るよ」
 『顽张ってね。私も一生悬命応援するから。マネージャーとしてみんなのことを手伝ったりは出来ないけどひびきの高校が胜つようにいつも祈ってるから』
 「ありがとう、佐仓さん。佐仓さんにそう祈ってもらえたら100人力だよ」
 『えっ?えっ?で、でも私なんて全然だよ~』
 「そんなことないって。佐仓さんの今言ってくれた事を野球部のみんなに话せば今まで以上に顽张れると思うし」
 『そ、そうかな~~』
 「そうだよ。俺だって佐仓さんにそう言われたらなんか元気出てきちゃうしね」
 『そう?フフッ、少しは元気でたかな?』
 电话の向こう侧で笑颜で语りかけてくれているのが目に浮かぶような弾む声に彼が思わず嬉しくなってしまう。
 「うん、元気でたよ。新年早々佐仓さんの声を聴けたしね」
 『そ、そんな~。あ、そうだ。あの、今日は何か用事あるかな?』
 「え、今日は1月3日だし用事はないけど」
 『そっか、それじゃあ会えないかな?』
 「え、会うって今日?」
 『うん、今日』
 「い、いや、それは会えるんだったら会いたいけど。佐仓さんの住んでるところって结构远いんじゃなかったっけ?」
 (佐仓さんの引っ越したところは大门高校があるところだから电车で乗り継いでもかなりかかりそうだけど)
 『フフッ、それがね。実は今とっても近いところにいるんだ』
 「え、どこに?」
 『実は今亲戚のおじさんの所にいるの。それで亲戚のおじさんの家がひびきの市にあってね。新年の挨拶で来たんだけど、少しだったら时间も出来るし会えないかなって思って』
 そう言って枫子が今はひびきの市に居ると言ってくれると彼が枫子に会えるかもしれないと思ってとても喜んでしまう。



1楼2008-02-19 15:11回复
     确か枫子と直接会ったのは引越しをする直前だから4ヶ月くらいになる。
     こうして电话で话をするのはよくあるけど、直接会うのは本当に久しぶりになる。
     「ほ、本当に会えるの?」
     『うん。今はおじさんの家だけどすぐに出られるから』
     「うん、会いたい!会いたいよ、佐仓さん」
     『良かった。えっと、それじゃあどこで待ち合わせようか?』
     「ひびきの駅前でも駅前広场でもバス停でも伊集院大桥前でもどこでもいいよ!」
     『え、そ、そんなにたくさんの场所を言われると迷っちゃうよ』
     「あ、ゴメン。佐仓さんが一番行きやすい场所でいいから」
     『フフッ、それじゃあ駅前広场で』
     「うん、駅前広场でね」
     『それじゃあ1时に駅前広场で』
     「了解!」
     彼が枫子からの电话を切り、出挂ける仕度をするためにすぐに自分の部屋に戻ろうとする。
     そして彼が着替えながら枫子と最后に会ったときの事を思い出してしまう。
     転校する直前に花火大会で会ったのが彼が枫子を见た最后である。
     その时の涙を浮かべた枫子の様子が彼にはずっと心から离れることがない。
     枫子も自分に対して引越しをするという事が言いづらかったのだろうけど、最后に会った枫子の表情が今まで见たことがないものだったのでとても心に残っている。
     (佐仓さんと今度会うときにはきっと笑颜で会いたいな)
     先ほどの电话もそうだけど、电话で话をしている时の枫子の様子はとても楽しそうだけど、やっぱりその楽しそうな枫子の颜を直接见てみたいと思ってしまう彼である。


     駅前広场。
     1月3日と言ういろんな店が初売りをしている日のせいか、人がかなり多い。
     彼が少し辺りを见回して枫子のことを探そうとすると、程なくして以前と少しも変わらないおかっぱのような髪形の佐仓枫子が暖かそうな灰色のコートを着て立っているのを见つけられた。
     「佐仓さん」
     彼が久しぶりにそう声を挂けると、それに気づいてくれたのか枫子も笑颜で答えてくれる。
     その笑颜に安心して彼が枫子の元に歩み寄り、
     「こんにちは、佐仓さん」
     「うん、久しぶりだね」
     「また会えて嬉しいよ」
     「うん、私も嬉しい」
     「佐仓さん、変わってないね」
     「そう?あなたはちょっと大人っぽくなったような感じがするよ」
     「そうかな?自分では何も変わってないような気がするけど」
     「ううん、すっごく大人っぽくなったよ」
     「ありがとう。…はは、何だか紧张しちゃうな」
     枫子と会うのはとても久しぶりなので彼がついそう言っておどけてしまう。
     「うん、私もちょっと紧张しちゃう」
     「お互い様だね。でも、亲戚のおじさんに挨拶に来てたのに胜手に游びに出挂けてよかったの?」
     枫子が亲戚のおじさんの家に来てるときを抜け出してここに来たといったので彼が心配してそう寻ねると、枫子が难しそうな表情を浮かべてしまう。
     「う~~ん、本当はダメなんだけど」
     「えっ!?」
     「フフ、うそだよ。今は私はいとこの红叶姉ちゃんと初诣に来てるって言うことになってるから」
     「いとこのお姉さん?もしかして近くに居るの?」
     「居ないと思うけど。红叶お姉ちゃんも彼氏とデートをするって言ってたし」
     「へぇ、お姉さんもデートなんだ……も?」
     彼がそう言って枫子が使った「红叶お姉ちゃんも」と言う言叶に反応する。
     それは枫子が自分たちが二人で出挂けることをデートだと意识してくれていることなので。
     「えっ!?キャッヤダ、私ったら~~」
     枫子も彼の颜が少し赤くなっているのに気づいて彼以上に颜を赤くしてしまう。
     「はは……とりあえず歩こうか」
     「う、うん」
     そしてひびきの駅前の商店街を二人で歩きながら、
     「全然変わってないでしょ」
     彼が枫子にそう言ってひびきの市の町并みが変わってないと言うと、枫子もうなずいてくれる。
     「そうだね、あ、あのあんみつ屋さんも前のままだね~」
     「うん」
     「あのケーキ屋さんも」
     「うん」
     「それとあの吃茶店も~」
     「はは、野球部の帰りによく寄ってたの?」
     彼がさっきから枫子の言う店が甘いものの场所ばかりなのでそう言ってみると、慌てて首を横に振ってしまう。
     「ち、违うよ。学校の帰りに甘いものを食べるために寄ってなんていないモン」
     「それは寄ってるって言ってるのと同じだけど」
     「あ、も、もう~~」
     「はは、そうだ、それじゃあ吃茶店に入って话をしようか」
     「う、うん。で、でも本当に练习の帰りに寄ったりしてないからね」
    


    2楼2008-02-19 15:11
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      そして枫子との久しぶりの再会があってからしばらくたったある日。
       新学期が始まり、彼がひびきの高校の廊下を歩いていると、先に佐仓枫子の友人である八重花桜梨の姿を见かける。
       花桜梨は一年生の顷は少し影があるような女性と言うイメージだったのだけど2年生になって少しずつ明るくなって来ている。
       そして枫子と仲がいいせいか、彼ともよく话をしている。枫子の転校先を教えてもらったのも実は花桜梨からである。
       「あ、八重さん。久しぶり」
       「あ、久しぶり」
       「今日の昼、ちょっといいかな?」
       「别にいいけど」
       「それじゃあお昼に八重さんのクラスに行くよ」
       「うん」
       そしてあっという间に昼休み。
       彼が花桜梨の机を挟んで座り、
       「とうとう3学期だねぇ」
       感慨深げにそう言うと、花桜梨もうなずいてくれる。
       「そうだね。何だかあっという间だった」
       「ついこの间2年生になったと思ったのになぁ」
       「うん」
       「2年生って何だかドタバタして落ち着かないね」
       彼がそう言うと、花桜梨がちょっと笑ってしまう。
       「それは2年生だからじゃなくてあなただからじゃないかな」
       「う、そうかな?」
       「うん、あなたっていつも走り回ってるから」
       「俺ってそんなに落ち着きない?」
       彼がとても心外そうに言うと、
       「あれ、自覚がなかった?」
       花桜梨も意外だという感じでそう言い返してしまう。
       「う~~。ま、まぁそれは置いておいて。……八重さんはこの前のお正月は何かあった?」
       彼がこれ以上话しているとドンドン自分の立场が危うくなりそうなので话题を変えようと、枫子はひびきの市に戻っていたので正月に花桜梨と枫子の二人で会ったりもしたのかと思って质问してみると、花桜梨が答えてくれる。
       「别に特别なことは何もなかったけど。元旦はあなたと初诣に行ったくらいで」
       「ああ、初诣は一绪に行ったよね」
       「うん、大吉が出てよかった」
       「俺も大吉だったよ」
       「二人とも今年はいい年になるかもしれないね」
       「うん、いい年にしたいよ」
       彼が高校生活最后となる今年は去年以上にいい年にしたいと思うのでそう言うと、
       「うん、私も今年はいい年にしたい」
       花桜梨も同じ気持ちでいてくれるのかそう言ってくれる。
       「えっと、初诣に行ったのは知ってるから别にいいんだけど。他には何かなかった?佐仓さんから连络があったとか」
       「枫子ちゃんから?」
       「うん、佐仓さんから」
       「あったよ」
       花桜梨がそう言って枫子から连络があったと教えてくれると、彼も声が上ずってしまう。
       「い、いつ顷あったの?」
       「元旦だよ。お正月の挨拶をしたんだけど」
       「あれ、会ったりはしてないの?」
       「会ってないけど。だって枫子ちゃん今は引っ越しちゃったし」
       花桜梨の返事に彼が少し肩透かしを食ったような気持ちになってしまう。枫子と花桜梨は仲が良かったのでひびきの市に来たのだったら会っていたのだろうと思っていたので。
       「そっか」
       彼の反応に花桜梨が、
       「もしかして佐仓さん、ひびきの市に戻ってきたの?」
       枫子がまたひびきの市に戻ってきたのかと寻ねると、
       「いや、そう言うわけじゃないんだけど。亲戚のおじさんがひびきの市に住んでるから、お正月のときだけ帰ってたんだって」
       枫子がひびきの市に少しだけ戻っていたことを伝えると、花桜梨も纳得してくれる。
       「あ、そうだったんだ。それであなたは枫子ちゃんと会ったんだね」
       「う、うん。でも会ったってまだ言ってないのに」
       彼が闻いたのは花桜梨が枫子と会ったことだけなのにどうして自分と枫子が会った事がわかったのか不思议に思うと、花桜梨が苦笑いを浮かべながら彼に说明してくれる。
      


      4楼2008-02-19 15:12
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