广大鸣雏党 我第一次搬鸣雏小说 不知道会不会被吞 原文看不懂 还得等翻译君阿
我负责搬运 哈哈
@弥彰 http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5215014&from_sid=1226465674#1
先贴一段 看会不会被吞
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
舌先の棘
背后で上がった黄色い歓声と近づいてくる足音の群に、ナルトは思わず溜息をついた。
今日はのんびり静かに过ごしたい気分だったのに。
「ナルトせんぱーい!」
「ナル様ー!」
悪ぃな、今日はお前等の相手はナシだ。
赈やかな歓声を闻こえない振りで受け流し、ナルトは路地裏に入って印を结んだ。
「あれ?确かにナルト先辈がいたと思ったのに」
「こっちに歩いていったよね?」
「どこいっちゃったのかなー、ナル様」
「あっちかな?」
(思った通り、うまくいったってばよ!)
自分を见失ったおっかけ达を见て、ナルトは満足げに尻尾をぴんと立てた。
そう、尻尾だ。猫に化けてみたのだ!
これなら谁にも邪魔されずにのんびりと过ごせるだろう。
とててっ、と惯れない4本分の自分の足音を闻きながら、
ナルトは特に目的も无く走り出した。
「あら、猫じゃない」
暖かな阳光を浴びながらきままに歩いていると、闻き惯れた声が闻こえた。
声の方を向くと、やはりそこにはサクラの姿があった。
(よぉ、サクラちゃん!)
…と言ったつもりの自分の声が「にゃあ」と响いて、
ナルトはあぁそういえばと自分が変化している事を思い出した。
サクラが相手なら、もう変化し続ける理由も无いだろうと术を解こうとした时、
両脇の下に手を入れられ、体が高く持ち上げられる。
(へ?)
「珍しい毛色の猫ね。金色みたいだわ」
『高い高い』のように抱き上げられて、ナルトは体を硬直させた。
正直な所、惯れない四足獣への変化は维持が结构面倒で、见知った相手の前なら
さっさと人间の姿に戻りたかったのだが…この状态で変化を解く訳にはいかないだろう。
参ったな…と思っていると、さらに悪い事に。
続いてサクラは、「可爱い!」と嬉しそうに猫ナルトを抱きしめた。
…まずい。
……绝対に、もうサクラの前では変化は解けない。
………彼女の気が済むまで、なんとか术を持続させなければ…破灭だ。
脳内に駆け巡るありとあらゆる悪い想像が、ナルトの背筋を冻らせた。
(サクラちゃん…!頼むから早く离してくれってばよ…!)
背中を抚でる掌が、いつ金刚力の拳と化して全身の骨を砕くのか…と、ひたすら寒気しかしない。
ざわ、と逆立った全身の毛を、まだ満足していない様子のサクラの手が抚で続け、
その度に涌き上がる恐怖が、変化を保つ集中力を乱していく。
最早走马灯すら见えてきそうな状况の中、それは追い讨ちをかけるように现れた。
「サクラちゃん?」
(!!)
「ヒナタ!见てよ、この猫可爱くない?」
サクラに抱え直され、突き出された先には…ヒナタがいた。
「なんだ、ネコかよ。落ち着け赤丸、袭うなよ」
「……。」
…と、キバとシノもいた。
(こ…この状态ってば、ヤベェんじゃねえか…!?)
思いがけず势揃いした八班の面々に、ナルトの背筋に紧张が走った。
感知と探索に秀でたこの三人には、自分の変化は见破られるのではないのか?
ヒナタが少し屈んでナルトの目を覗き込んでくる。
眼前の荡ける様に美しい千里眼が、伪りの姿を见通してしまいそうで不安で。
それなのに、心のどこかで「気付いてくれるかもしれない」とも期待した。
だって、俺达は目を见れば互いの事がわかるのだから。
白眼が优しく细められ、长い睫毛の影が澄んだ虹彩の上を踊る。
体势を変えた为にさらりと肩から流れ落ちた髪を、细い指先が耳にかける。
その髪が香って、珊瑚色の爪が阳光を弾いて。
食べ顷の桃のようにふっくらと柔らかく甘そうな唇が、ふふ。と上品な笑みをこぼす。
なにしてるの?ナルト君。
今にもそう呼びかけられるのではないかと、うなじの辺りがそわそわした。
「…うん。とっても绮丽な子だね。サクラちゃん」
「でしょ?饲い猫かしら。见かけない猫だけど…」
……あ。気付かねェんだ。
……まぁ、特に任务でもねーのに猫に化けてるなんて思わねぇか。
最初からただの猫だと思っているなら、わざわざ白眼でチャクラを探るような事もしないだろうし。
気付かれると困るのに、见抜かれたくなかったはずなのに。
自分だと気付いてもらえなかったのが酷く残念だった。
ちぇっ。…でもまぁ、ヒナタが気づかねえなら、キバとシノも大丈夫だろうな。
よかったようなよくなかったような…
ひとまず命の危机を回避できただけよしとしようと気を取り直し、
ナルトは目の前のヒナタを见つめた。
肌の肌理が细かい。
手のひらでほっぺたを包み込んだら、しっとりと吸い付いてきそうだ。
そんな事を考えていたら、思わず手が伸びていたらしい。
ふに、とヒナタの頬と自分の肉球(そう、残念ながらその时は肉球だったのだ)が触れ合う感触。
伝わってきた想像以上の柔らかさと温もりに、ナルトは一瞬にして我に帰った。
ヒナタも惊いて目を丸くしていて、大きく开かれた瞳から、
彼女の头の中を覗き込めそうな気がした。
「あら、随分気の抜けた猫パンチね」
「オイ、爪立ててねーだろーな!?大丈夫か、ヒナタっ!?」
「ヒナタ、离れた方がいいのではないか?なぜなら、
肌に伤をつけられるかもしれないからだ」
「だ、大丈夫だよ…?きっと私がいきなり颜を近づけすぎちゃったから、
ビックリしたんだよ」
惊かせちゃってごめんね。とヒナタの手が优しくナルトの头を抚でた。
さっきまでサクラに抚でられる度ガチガチに全身が紧张したのに、
ヒナタだと妙に落ち着いた。
気持ちいい。嬉しい。もっと抚でて欲しい。
それに、ものすごくいい匂いがする。
滝の傍の空気みたいに清廉で、蜜の様にとろりと甘く、ほんのりと酔った気分にさせられて。
ゴロゴロ、と気付けば喉が鸣っていた。
「あら…この子、ヒナタが気に入ったんじゃない?嬉しそうよ」
「え? そ、そうかな…?」
「ゴロゴロ言ってるしな。赤丸で惯れてるから、
サクラより抚でるのがうまかったんじゃねーの?」
「确かにな。なぜならヒナタに抚でられている时は、
赤丸もその猫も颜が弛缓しているからだ」
「せっかくだから、抱っこしてみたら?」
サクラがホラ!とナルトをヒナタに向かって突き出し、
ヒナタはおずおずと白くて细い腕を伸ばして、ナルトの両脇の下に手を入れた。
受け取った小さな体の、思い人の髪を思わせる毛并みを阳光にあてて、
その煌めきを楽しもうとナルトを軽く持ち上げたヒナタ。
その时の事を、后にナルトは両手で颜を覆って力无く、こう语ったと言う。
曰く。「まさか足场になる程だとは…思って无かったってばよ…」と…。
重力に従い、小さいくせに柔软で长い猫科の胴体が、だらん、と垂れた。
本来であれば空中にぶらさがるであろうその下肢が、ぺちょんと优しく受け止められて、
へ?とナルトは视线を下ろし。
その极上の柔らかさの正体を知って、戦栗した。
自分の后ろ足がふにふにと踏んづけているもの…それはまさしくヒナタの豊満な胸だったのだ。
脳髄に稲妻が走り、冲撃で思考が引き裂かれ、そのまま冻りつく。
頼りない柔らかさでありながら圧倒的な存在感。
己の足裏の肉球なんぞ问题にならず、饮み込まれていくよう。
やるべき事がある时の睡魔の如く、甘美で背徳的な诱惑が、
背筋をぞわりと粟立たせ、全身を痹れさせ、正体不明の热を生んでいく。
…ヤバイ。
……もう绝対に绝対に绝対に绝対に…ヒナタの前では変化は解けない。
………この场をやり过ごし、彼女から离れるまで。なんとか术を持続させなければ…全てが终わる。
…………ありとあらゆる意味で、终わる。
頼む!!
もうそろそろいいだろ!?许してくれ!!
谁に何を许されたいのやら全く意味不明だが、自分をこんな危机的状况に追い込んだ
なんらかの见えない力に対して心の中で叫ぶナルト。
见るな见るなと目を瞑れば、五感の一つが闭じられた为により锐敏になった嗅覚が、
ヒナタから立ち升り、ヒナタの呼気が届けたヒナタの香気を感じ取り。
感覚まで研ぎ澄まされ、胸や背中や脇の下の彼女の手の滑らかさは勿论の事、
足元の…その…なんだ…けして言ってはいけないあの场所の温もりすらより明确になってしまう。
にゃんとも言えない状况に、头の中が真っ白になり、その白をヒナタの色が涂り溃していく。
「可爱いね…本当に绮丽な猫…」
ああもうなんでそんな嬉しそうな幸せそうな声だすんだ。
お前が抱き上げてるのは猫なんかじゃねぇし!
いつ炸裂するかわからない起爆札の束よりも危ねぇんだぞ!
…まぁそんな叫びは全部「ニャー」にしかならないのだが。
「ふふ…おしゃべりさんだね」
あっ。
と思った瞬间には时既に遅く。
ナルトは天国と地狱の谷间に体を预けていた。
本日二度目の雷光がナルトの脳内だけで発生し、呼吸を停止させ、体を引きつらせて、
自分を抱きしめているヒナタの柔らかさの中に吸い込まれていく。
今だけ悟りを开いて本物の仙人になりたい…。
脳裏に浮かんだ今は亡き师の颜に、いやいや仙人は仙人でもエロ仙人には
なっちゃダメだろ今は余计に!!と猛烈に焦り。
首を左右に振ろうとして、むにっと鼻先がまろやかな膨らみに包まれ硬直する自爆ナルト。
もういっぱいいっぱいだ。
ああ、ここで集中が切れて人间の姿に戻ってしまったら、どうなるのだろう。
取り急ぎサクラに杀されるだろうな。
キバとシノにもなんとなく杀されそうな気がする。犬に食われて虫に食われるってか、ハハハ。
そして…ヒナタはきっと、二度と颜をあわせてくれない。
「ワォン!」
响き渡る天敌…もとい、キバの相棒赤丸の鸣き声が、
走马灯に半分足をつっこんでいたナルトの意识を引き戻した。
「どうした?赤丸」
「クゥン…」
「なんだ赤丸、ヒナタを猫に取られてヤキモチかよ」
「赤丸の気持ちはわからんでもない。なぜなら、
いつもならああしてヒナタに抚でられるのは赤丸の特権だからだ」
……『いつも』?
闻き舍てならないその言叶が、痉挛して使い物にならなかったナルトの鼓膜を刺激した。
いつも…いつも?いつもだって?
なぜか胸が急にモヤモヤとしてきて赤丸を见ると、相手もこちらを见ていた。
睨み合う二匹。本当は一人と一匹。
动いたのは…赤丸だった。
「!!」
「きゃっ…赤丸!?ひゃっ…くすぐったいよ」
駆け寄ってきた赤丸は、キバを背中に载せられる程に成长した体でヒナタに飞びつき、
肩に前足をかけてヒナタの颜を舐め始めた。
ヒナタと赤丸に挟まれるような体势になったナルトは、
押し付けられて自分の背后でくにゅ、と形を変えた柔らかさに一瞬魂を夺われた后、
必死でこの世に戻ってきて隙间から颜を出した。
头上で赤丸の大きな舌がヒナタの頬を何度も舐め上げている。
细い首筋から整った轮郭を味わい、耳朶まで到达する赤い舌。
濡らされた肌に远虑なく吹き付けられる鼻息が、一筋の髪を舞い上げた。
テメェ赤丸ッ!!どーぶつだからってやっていい事と悪い事があるぞ!!
その台词は今の状况では完全に「お前が言うな」なのだが、
沸腾した头のナルトにはわからなかったし、ツッコんでくれる者も无い。
気に食わなくて苛立っているのに、抱きしめられてるから动けないし、それなのに背中は楽园。
もう気持ちは灭茶苦茶で感情の统制はきかなくて。
その最悪のタイミングで、赤丸の舌がヒナタの唇の端を掠めた。
「~~~~~~~~~~~~ッッッ!!??」
スローモーションで、ふっくらとした小さな唇が、濡れた舌で押しつぶされるのが见えて。
思わず。
バシンッと音が立つ程の猫パンチを目の前の巨躯に缲り出していた。
そしてこれも思わず。
思いきり体を伸ばして、ヒナタの唇を舐めていた。
多分、拭き取るつもりだったのだけど。
この时、自分は猫だったから。拭くなんてできないから。舐めるしかできないから。
だから。
こうするのが当然なんだと思っていた。
「んっ…!?」
ヒナタが小さく惊いた声を漏らす。
可爱い声だ。もっと闻きたい。もう一度舐めたら闻かせてくれるだろうか。
そんな不埒な事を考えていた罚なのか、首の后を掴まれて、ナルトはヒナタから引き剥がされてしまった。
さっきまであれ程离れたいと思っていたヒナタの胸の中が急に远のき、雑な扱いで地面に下ろされる。
「赤丸に攻撃するなんて肝の据わった猫だな」
「ヒナタ、大丈夫か?なぜなら、赤丸はかなり重くなったからだ」
「…毎度の事ながら、あんた达の过保护振りには
惊かされるわ…ヒナタ、大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ。ありがとう、サクラさん。
キバ君もシノ君も、心配させちゃってごめんね」
赤丸の猛攻に乱れた髪を整え、キバ达に応えてから、ヒナタは视线を下ろしてナルトを见た。
「君も、びっくりさせちゃったよね?ごめんね」
座り込んだヒナタは控えめにナルトの头を抚で、口元を押さえて言った。
「それにしても、猫の舌って凄くザラザラしてるんだね…。
棘が刺さったのかと思っちゃった」
え。…痛かったのか?悪ィ、ヒナタ。
ナルトは慌ててヒナタを见上げた。
怪我をしているようには见えず、ホッと息をつく。
红をさしているような妙な味はしなかったから、化妆は施していないのだろう。
それなのに鲜やかに赤く、熟れた果物の瑞々しさを感じさせる唇。
视线を离せず魅入られていると、またヒョイと持ち上げられた。
「で、この子、结局野良猫なのかしら」とナルトをぶら下げたままサクラが言い、
「だろうな。八班は下忍の顷にやたら迷い犬迷い猫系の依頼が多かったから、
里の饲い猫の匂いはほぼ把握しているけどよ…この猫には覚えがねーし」とキバが応える。
「あ、あの…私、この子を连れて帰ってもいいかな?」
闻こえた言叶に、ナルトは本日三回目のフリーズを味わった。
今なんつった。
いやいやいや、もう解散だろ!?
连れて帰るとかねェってば!!もう限界だって!!
「いいんじゃねえか?コイツもヒナタには懐いてるみたいだったしな」
「问题ないだろう。なぜならこの猫もヒナタを気に入っているようだからだ」
何言ってんだキバもシノも!!
せめてキバは止めろよ!!犬派だろテメエ!!
确かにちょっとかなりヒナタに抱かれているのは大层结构で気持ちよかったけど!!
…って何言ってんだ俺は!!马鹿か!!
あああやめてくれサクラちゃん、俺をヒナタに手渡さないでくれ!!
血を吐く様な叫びも全て「ニャー」。
SOSは谁にも届く事はなかった。
ナルトは再び、天国と地狱の谷间に优しく包み込まれたのだった…。
我负责搬运 哈哈
@弥彰 http://www.pixiv.net/novel/show.php?id=5215014&from_sid=1226465674#1
先贴一段 看会不会被吞
-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
舌先の棘
背后で上がった黄色い歓声と近づいてくる足音の群に、ナルトは思わず溜息をついた。
今日はのんびり静かに过ごしたい気分だったのに。
「ナルトせんぱーい!」
「ナル様ー!」
悪ぃな、今日はお前等の相手はナシだ。
赈やかな歓声を闻こえない振りで受け流し、ナルトは路地裏に入って印を结んだ。
「あれ?确かにナルト先辈がいたと思ったのに」
「こっちに歩いていったよね?」
「どこいっちゃったのかなー、ナル様」
「あっちかな?」
(思った通り、うまくいったってばよ!)
自分を见失ったおっかけ达を见て、ナルトは満足げに尻尾をぴんと立てた。
そう、尻尾だ。猫に化けてみたのだ!
これなら谁にも邪魔されずにのんびりと过ごせるだろう。
とててっ、と惯れない4本分の自分の足音を闻きながら、
ナルトは特に目的も无く走り出した。
「あら、猫じゃない」
暖かな阳光を浴びながらきままに歩いていると、闻き惯れた声が闻こえた。
声の方を向くと、やはりそこにはサクラの姿があった。
(よぉ、サクラちゃん!)
…と言ったつもりの自分の声が「にゃあ」と响いて、
ナルトはあぁそういえばと自分が変化している事を思い出した。
サクラが相手なら、もう変化し続ける理由も无いだろうと术を解こうとした时、
両脇の下に手を入れられ、体が高く持ち上げられる。
(へ?)
「珍しい毛色の猫ね。金色みたいだわ」
『高い高い』のように抱き上げられて、ナルトは体を硬直させた。
正直な所、惯れない四足獣への変化は维持が结构面倒で、见知った相手の前なら
さっさと人间の姿に戻りたかったのだが…この状态で変化を解く訳にはいかないだろう。
参ったな…と思っていると、さらに悪い事に。
続いてサクラは、「可爱い!」と嬉しそうに猫ナルトを抱きしめた。
…まずい。
……绝対に、もうサクラの前では変化は解けない。
………彼女の気が済むまで、なんとか术を持続させなければ…破灭だ。
脳内に駆け巡るありとあらゆる悪い想像が、ナルトの背筋を冻らせた。
(サクラちゃん…!頼むから早く离してくれってばよ…!)
背中を抚でる掌が、いつ金刚力の拳と化して全身の骨を砕くのか…と、ひたすら寒気しかしない。
ざわ、と逆立った全身の毛を、まだ満足していない様子のサクラの手が抚で続け、
その度に涌き上がる恐怖が、変化を保つ集中力を乱していく。
最早走马灯すら见えてきそうな状况の中、それは追い讨ちをかけるように现れた。
「サクラちゃん?」
(!!)
「ヒナタ!见てよ、この猫可爱くない?」
サクラに抱え直され、突き出された先には…ヒナタがいた。
「なんだ、ネコかよ。落ち着け赤丸、袭うなよ」
「……。」
…と、キバとシノもいた。
(こ…この状态ってば、ヤベェんじゃねえか…!?)
思いがけず势揃いした八班の面々に、ナルトの背筋に紧张が走った。
感知と探索に秀でたこの三人には、自分の変化は见破られるのではないのか?
ヒナタが少し屈んでナルトの目を覗き込んでくる。
眼前の荡ける様に美しい千里眼が、伪りの姿を见通してしまいそうで不安で。
それなのに、心のどこかで「気付いてくれるかもしれない」とも期待した。
だって、俺达は目を见れば互いの事がわかるのだから。
白眼が优しく细められ、长い睫毛の影が澄んだ虹彩の上を踊る。
体势を変えた为にさらりと肩から流れ落ちた髪を、细い指先が耳にかける。
その髪が香って、珊瑚色の爪が阳光を弾いて。
食べ顷の桃のようにふっくらと柔らかく甘そうな唇が、ふふ。と上品な笑みをこぼす。
なにしてるの?ナルト君。
今にもそう呼びかけられるのではないかと、うなじの辺りがそわそわした。
「…うん。とっても绮丽な子だね。サクラちゃん」
「でしょ?饲い猫かしら。见かけない猫だけど…」
……あ。気付かねェんだ。
……まぁ、特に任务でもねーのに猫に化けてるなんて思わねぇか。
最初からただの猫だと思っているなら、わざわざ白眼でチャクラを探るような事もしないだろうし。
気付かれると困るのに、见抜かれたくなかったはずなのに。
自分だと気付いてもらえなかったのが酷く残念だった。
ちぇっ。…でもまぁ、ヒナタが気づかねえなら、キバとシノも大丈夫だろうな。
よかったようなよくなかったような…
ひとまず命の危机を回避できただけよしとしようと気を取り直し、
ナルトは目の前のヒナタを见つめた。
肌の肌理が细かい。
手のひらでほっぺたを包み込んだら、しっとりと吸い付いてきそうだ。
そんな事を考えていたら、思わず手が伸びていたらしい。
ふに、とヒナタの頬と自分の肉球(そう、残念ながらその时は肉球だったのだ)が触れ合う感触。
伝わってきた想像以上の柔らかさと温もりに、ナルトは一瞬にして我に帰った。
ヒナタも惊いて目を丸くしていて、大きく开かれた瞳から、
彼女の头の中を覗き込めそうな気がした。
「あら、随分気の抜けた猫パンチね」
「オイ、爪立ててねーだろーな!?大丈夫か、ヒナタっ!?」
「ヒナタ、离れた方がいいのではないか?なぜなら、
肌に伤をつけられるかもしれないからだ」
「だ、大丈夫だよ…?きっと私がいきなり颜を近づけすぎちゃったから、
ビックリしたんだよ」
惊かせちゃってごめんね。とヒナタの手が优しくナルトの头を抚でた。
さっきまでサクラに抚でられる度ガチガチに全身が紧张したのに、
ヒナタだと妙に落ち着いた。
気持ちいい。嬉しい。もっと抚でて欲しい。
それに、ものすごくいい匂いがする。
滝の傍の空気みたいに清廉で、蜜の様にとろりと甘く、ほんのりと酔った気分にさせられて。
ゴロゴロ、と気付けば喉が鸣っていた。
「あら…この子、ヒナタが気に入ったんじゃない?嬉しそうよ」
「え? そ、そうかな…?」
「ゴロゴロ言ってるしな。赤丸で惯れてるから、
サクラより抚でるのがうまかったんじゃねーの?」
「确かにな。なぜならヒナタに抚でられている时は、
赤丸もその猫も颜が弛缓しているからだ」
「せっかくだから、抱っこしてみたら?」
サクラがホラ!とナルトをヒナタに向かって突き出し、
ヒナタはおずおずと白くて细い腕を伸ばして、ナルトの両脇の下に手を入れた。
受け取った小さな体の、思い人の髪を思わせる毛并みを阳光にあてて、
その煌めきを楽しもうとナルトを軽く持ち上げたヒナタ。
その时の事を、后にナルトは両手で颜を覆って力无く、こう语ったと言う。
曰く。「まさか足场になる程だとは…思って无かったってばよ…」と…。
重力に従い、小さいくせに柔软で长い猫科の胴体が、だらん、と垂れた。
本来であれば空中にぶらさがるであろうその下肢が、ぺちょんと优しく受け止められて、
へ?とナルトは视线を下ろし。
その极上の柔らかさの正体を知って、戦栗した。
自分の后ろ足がふにふにと踏んづけているもの…それはまさしくヒナタの豊満な胸だったのだ。
脳髄に稲妻が走り、冲撃で思考が引き裂かれ、そのまま冻りつく。
頼りない柔らかさでありながら圧倒的な存在感。
己の足裏の肉球なんぞ问题にならず、饮み込まれていくよう。
やるべき事がある时の睡魔の如く、甘美で背徳的な诱惑が、
背筋をぞわりと粟立たせ、全身を痹れさせ、正体不明の热を生んでいく。
…ヤバイ。
……もう绝対に绝対に绝対に绝対に…ヒナタの前では変化は解けない。
………この场をやり过ごし、彼女から离れるまで。なんとか术を持続させなければ…全てが终わる。
…………ありとあらゆる意味で、终わる。
頼む!!
もうそろそろいいだろ!?许してくれ!!
谁に何を许されたいのやら全く意味不明だが、自分をこんな危机的状况に追い込んだ
なんらかの见えない力に対して心の中で叫ぶナルト。
见るな见るなと目を瞑れば、五感の一つが闭じられた为により锐敏になった嗅覚が、
ヒナタから立ち升り、ヒナタの呼気が届けたヒナタの香気を感じ取り。
感覚まで研ぎ澄まされ、胸や背中や脇の下の彼女の手の滑らかさは勿论の事、
足元の…その…なんだ…けして言ってはいけないあの场所の温もりすらより明确になってしまう。
にゃんとも言えない状况に、头の中が真っ白になり、その白をヒナタの色が涂り溃していく。
「可爱いね…本当に绮丽な猫…」
ああもうなんでそんな嬉しそうな幸せそうな声だすんだ。
お前が抱き上げてるのは猫なんかじゃねぇし!
いつ炸裂するかわからない起爆札の束よりも危ねぇんだぞ!
…まぁそんな叫びは全部「ニャー」にしかならないのだが。
「ふふ…おしゃべりさんだね」
あっ。
と思った瞬间には时既に遅く。
ナルトは天国と地狱の谷间に体を预けていた。
本日二度目の雷光がナルトの脳内だけで発生し、呼吸を停止させ、体を引きつらせて、
自分を抱きしめているヒナタの柔らかさの中に吸い込まれていく。
今だけ悟りを开いて本物の仙人になりたい…。
脳裏に浮かんだ今は亡き师の颜に、いやいや仙人は仙人でもエロ仙人には
なっちゃダメだろ今は余计に!!と猛烈に焦り。
首を左右に振ろうとして、むにっと鼻先がまろやかな膨らみに包まれ硬直する自爆ナルト。
もういっぱいいっぱいだ。
ああ、ここで集中が切れて人间の姿に戻ってしまったら、どうなるのだろう。
取り急ぎサクラに杀されるだろうな。
キバとシノにもなんとなく杀されそうな気がする。犬に食われて虫に食われるってか、ハハハ。
そして…ヒナタはきっと、二度と颜をあわせてくれない。
「ワォン!」
响き渡る天敌…もとい、キバの相棒赤丸の鸣き声が、
走马灯に半分足をつっこんでいたナルトの意识を引き戻した。
「どうした?赤丸」
「クゥン…」
「なんだ赤丸、ヒナタを猫に取られてヤキモチかよ」
「赤丸の気持ちはわからんでもない。なぜなら、
いつもならああしてヒナタに抚でられるのは赤丸の特権だからだ」
……『いつも』?
闻き舍てならないその言叶が、痉挛して使い物にならなかったナルトの鼓膜を刺激した。
いつも…いつも?いつもだって?
なぜか胸が急にモヤモヤとしてきて赤丸を见ると、相手もこちらを见ていた。
睨み合う二匹。本当は一人と一匹。
动いたのは…赤丸だった。
「!!」
「きゃっ…赤丸!?ひゃっ…くすぐったいよ」
駆け寄ってきた赤丸は、キバを背中に载せられる程に成长した体でヒナタに飞びつき、
肩に前足をかけてヒナタの颜を舐め始めた。
ヒナタと赤丸に挟まれるような体势になったナルトは、
押し付けられて自分の背后でくにゅ、と形を変えた柔らかさに一瞬魂を夺われた后、
必死でこの世に戻ってきて隙间から颜を出した。
头上で赤丸の大きな舌がヒナタの頬を何度も舐め上げている。
细い首筋から整った轮郭を味わい、耳朶まで到达する赤い舌。
濡らされた肌に远虑なく吹き付けられる鼻息が、一筋の髪を舞い上げた。
テメェ赤丸ッ!!どーぶつだからってやっていい事と悪い事があるぞ!!
その台词は今の状况では完全に「お前が言うな」なのだが、
沸腾した头のナルトにはわからなかったし、ツッコんでくれる者も无い。
気に食わなくて苛立っているのに、抱きしめられてるから动けないし、それなのに背中は楽园。
もう気持ちは灭茶苦茶で感情の统制はきかなくて。
その最悪のタイミングで、赤丸の舌がヒナタの唇の端を掠めた。
「~~~~~~~~~~~~ッッッ!!??」
スローモーションで、ふっくらとした小さな唇が、濡れた舌で押しつぶされるのが见えて。
思わず。
バシンッと音が立つ程の猫パンチを目の前の巨躯に缲り出していた。
そしてこれも思わず。
思いきり体を伸ばして、ヒナタの唇を舐めていた。
多分、拭き取るつもりだったのだけど。
この时、自分は猫だったから。拭くなんてできないから。舐めるしかできないから。
だから。
こうするのが当然なんだと思っていた。
「んっ…!?」
ヒナタが小さく惊いた声を漏らす。
可爱い声だ。もっと闻きたい。もう一度舐めたら闻かせてくれるだろうか。
そんな不埒な事を考えていた罚なのか、首の后を掴まれて、ナルトはヒナタから引き剥がされてしまった。
さっきまであれ程离れたいと思っていたヒナタの胸の中が急に远のき、雑な扱いで地面に下ろされる。
「赤丸に攻撃するなんて肝の据わった猫だな」
「ヒナタ、大丈夫か?なぜなら、赤丸はかなり重くなったからだ」
「…毎度の事ながら、あんた达の过保护振りには
惊かされるわ…ヒナタ、大丈夫?」
「だ、大丈夫だよ。ありがとう、サクラさん。
キバ君もシノ君も、心配させちゃってごめんね」
赤丸の猛攻に乱れた髪を整え、キバ达に応えてから、ヒナタは视线を下ろしてナルトを见た。
「君も、びっくりさせちゃったよね?ごめんね」
座り込んだヒナタは控えめにナルトの头を抚で、口元を押さえて言った。
「それにしても、猫の舌って凄くザラザラしてるんだね…。
棘が刺さったのかと思っちゃった」
え。…痛かったのか?悪ィ、ヒナタ。
ナルトは慌ててヒナタを见上げた。
怪我をしているようには见えず、ホッと息をつく。
红をさしているような妙な味はしなかったから、化妆は施していないのだろう。
それなのに鲜やかに赤く、熟れた果物の瑞々しさを感じさせる唇。
视线を离せず魅入られていると、またヒョイと持ち上げられた。
「で、この子、结局野良猫なのかしら」とナルトをぶら下げたままサクラが言い、
「だろうな。八班は下忍の顷にやたら迷い犬迷い猫系の依頼が多かったから、
里の饲い猫の匂いはほぼ把握しているけどよ…この猫には覚えがねーし」とキバが応える。
「あ、あの…私、この子を连れて帰ってもいいかな?」
闻こえた言叶に、ナルトは本日三回目のフリーズを味わった。
今なんつった。
いやいやいや、もう解散だろ!?
连れて帰るとかねェってば!!もう限界だって!!
「いいんじゃねえか?コイツもヒナタには懐いてるみたいだったしな」
「问题ないだろう。なぜならこの猫もヒナタを気に入っているようだからだ」
何言ってんだキバもシノも!!
せめてキバは止めろよ!!犬派だろテメエ!!
确かにちょっとかなりヒナタに抱かれているのは大层结构で気持ちよかったけど!!
…って何言ってんだ俺は!!马鹿か!!
あああやめてくれサクラちゃん、俺をヒナタに手渡さないでくれ!!
血を吐く様な叫びも全て「ニャー」。
SOSは谁にも届く事はなかった。
ナルトは再び、天国と地狱の谷间に优しく包み込まれたのだった…。