そこは巨人の口の中。アルミンが饮みこまれまいと必死の形相でもがく。原作のファンにはおなじみのあの名シーンが、実写ならではの生々しさでスクリーンに映し出される。
「全编を通じて、一番イヤなシーンでした(苦笑)」。
本郷奏多は过酷な撮影を振り返りつつ、同时にこのシーンを撮ることができた喜び、そして手応えを口にする。「原作の中でもすごく大切なシーンですので、それをほぼそのまま出来たのはすごく嬉しかったです」。まるで自分が巨人に食べられようとしているかのような恐怖とおぞましさと兴奋! そこにこのプロジェクトの意义が凝缩されている。
全世界での発行部数5千万部を超える谏山创の人気漫画を前后篇の二部作で実写化した『进撃の巨人 ATTACK ON TITAN』。オファーが届く以前から原作漫画の大ファンだったという本郷奏多が、キャラクターや巨人の描写、立体机动装置による飞行、そして、おそらくは原作ファンが最も不安を覚えているであろう原作からの物语の改编などについて、たっぷりと语ってくれた。
壁に囲まれた世界で暮らす人类と壁の外から突如やってきて、残酷なまでの力の差でもって平穏な日常を文字通り踏みつけ、破壊していく巨人たち。人类と巨人の戦い、そして巨人の存在の“谜”を描くという点では原作と同じだが、実写版では原作にない新たなキャラクターを登场させると共に、本郷さん演じるアルミンや主人公のエレン(三浦春马)、ミカサ(水原希子)などのおなじみのキャラクターのディティールにも変更を加え、物语の设定などでも大小様々な改编が行われている。
「やはりキャスト阵もスタッフも日本人ですから、最初にこれを実写化すると闻いた时から、原作の设定や物语をそのままなぞるのは无理だろうと思ってました。最初に台本を読んでみて、『なるほど、こう来たか!』という感じで、非常によくできているなと思いましたね。例えば、超大型巨人が出てきますが、原作でそこに深く関わってくるキャラクターが、今回の映画では出てこないんです。つまり、必然的に(映画の中の)别の人物がその役割を担っているということ。どこまで言っていいのか…(笑)。原作を好きな方にとっても、新しい物语を见るという楽しみ、先が読めないという楽しみが増えているはずです」。
先日の完成披露の际、キャストの一人であるピエール泷が、これから映画を见る観客に「みなさん、半分は巨人を见に来てるんでしょ?」と语り期待を煽っていたが、まさに気になるのは巨人! 本郷さんの目から见てその仕上がりは?
「やはり、実写で巨人が人间に向かってくると、绝望感が半端ないです(笑)! 漫画やアニメでは実际の世界と比べると当然、いろんな描写がデフォルメされていますが、それを実写で描くとなると、巨人の体液など细かいディティールが必要であり、リアルに巨人がいたらどうなるのか? というのがぶつけられてくるので、见ていると本当に気持ち悪いんです。巨人だけでなく、例えば生きている人间を真っ二つにちぎってしまうのとかも、漫画やアニメなら少ない色のグラデーションで表现されていてまだ耐えられるんですけど、実际にそれが実写になると、こういうことなのか! という恐怖が际立ちますね」。
ちなみに、冒头で绍介したアルミンが巨人の口の中に吸い込まれていくド迫力シーン。巨人の巨大な口のセットが作られ、実际に食べられながら撮影された…。
「口があって、中には大きな舌もあって、ゴムかシリコンかでできていて、その下に人が入って动かして、蠕动(ぜんどう/“食べ物”を下へと送ろうとする消化器官の运动)させるんです。上からはローションが流れてきて、ウォータースライダーの発射口みたいな感じで…。(小道具として)人の服の切れ端とか、指のかけらも流れて来るし、もう谜でしたね(苦笑)。春马くんと一绪だったんですが、夜中の3时とかにそんなことやりつつ『これ、何なんだろうね…?』って(笑)。でも、出来上がったのを见たら、ピンチ感が本当にハンパないんです。象徴的なシーンだなと思います。実际、仆以外の人は、わりとあっさりと食われてしまったり、死んだりしてて、そういうあっけなさは、命なんて一瞬でなくなっちゃうんだよってことを伝えてくれていいんですけど、あのシーンの『やべえ! やべえ!』って引っ张ってるところはドキドキしながら见てほしいです」。
この巨人の恐怖に立ち向かう上での人类の最大の武器となるのがワイヤーによって自由に空间を移动することができる“立体机动装置”である。腰に下げた装备のかっこよさもさることながら、それを実际に使用する飞行シーンはスピード感にあふれている。「アニメーションの立体机动装置による移动シーンがものすごく出来がいいんですよね。ビュンビュン飞び回ってて正直、アニメの动きを実写で超えるのはなかなか难しいんじゃないかと思ってたんです」と本郷さんは当初、抱いていた悬念を明かすが、その心配は杞忧に终わった。键となったのはワイヤーの存在。
「普通の日本のアクション映画でもワイヤーアクションはありますが、いかにも“吊っちゃってる”という感じが出てしまい、観ていて醒めちゃうことが结构あったんです。でも、今回に関しては、そもそも立体机动装置というのがワイヤーを使って飞び回るものなので、ワイヤーがすごくいいところでマッチしていて、吊るされている感があるからこそ逆にいい! この设定だからこそできることであり、アクションの完成度はメチャメチャ高いです!」。
これまで、几度となく人気漫画の実写化作品に参加してきたが、今回はこれまで以上の大きな挑戦となった。そこで感じたのはプレッシャー以上に大きな喜び。
「お金と时间をかけて、このタイトルだからこそ集まった一流のスタッフ阵が『进撃の巨人』の世界を作り上げていく――その热量が本当にすごかった。そこに参加させていただけるというのはなかなかないことであり、本当にすごい経験でした」。
アルミンに関して「会社で中间管理职の立场にいたら、活跃すると思うんですよね」とポツリと漏らす。
「広い视野で状况を理解できるというのが、他の人にはないアルミンの特徴かなと思います。他はみんな、自分のことしか考えてないような人ばかりなんでね(笑)。実はそこは、仆自身とも割と近い部分なのかなとも思います」。
もしも、本郷奏多が『进撃の巨人』の世界に放り込まれたら、どんな生き方をする?
「そうですね…仆は意外と运动神経もいいし、勉强もすればできる方かなと思うので、必死に顽张っていい成绩を収めて、中央に配属されて、安全なところで暮らしますね(笑)。调査兵団には绝対に入りません! 头脳派というよりはずる贤くて小さいんです。保身のための努力ならいっぱいできると思うので、顽张って、なるべく壁から离れた内侧の世界に行って暮らします(笑)」。
(photo / text:Naoki Kurozu)
「全编を通じて、一番イヤなシーンでした(苦笑)」。
本郷奏多は过酷な撮影を振り返りつつ、同时にこのシーンを撮ることができた喜び、そして手応えを口にする。「原作の中でもすごく大切なシーンですので、それをほぼそのまま出来たのはすごく嬉しかったです」。まるで自分が巨人に食べられようとしているかのような恐怖とおぞましさと兴奋! そこにこのプロジェクトの意义が凝缩されている。
全世界での発行部数5千万部を超える谏山创の人気漫画を前后篇の二部作で実写化した『进撃の巨人 ATTACK ON TITAN』。オファーが届く以前から原作漫画の大ファンだったという本郷奏多が、キャラクターや巨人の描写、立体机动装置による飞行、そして、おそらくは原作ファンが最も不安を覚えているであろう原作からの物语の改编などについて、たっぷりと语ってくれた。
壁に囲まれた世界で暮らす人类と壁の外から突如やってきて、残酷なまでの力の差でもって平穏な日常を文字通り踏みつけ、破壊していく巨人たち。人类と巨人の戦い、そして巨人の存在の“谜”を描くという点では原作と同じだが、実写版では原作にない新たなキャラクターを登场させると共に、本郷さん演じるアルミンや主人公のエレン(三浦春马)、ミカサ(水原希子)などのおなじみのキャラクターのディティールにも変更を加え、物语の设定などでも大小様々な改编が行われている。
「やはりキャスト阵もスタッフも日本人ですから、最初にこれを実写化すると闻いた时から、原作の设定や物语をそのままなぞるのは无理だろうと思ってました。最初に台本を読んでみて、『なるほど、こう来たか!』という感じで、非常によくできているなと思いましたね。例えば、超大型巨人が出てきますが、原作でそこに深く関わってくるキャラクターが、今回の映画では出てこないんです。つまり、必然的に(映画の中の)别の人物がその役割を担っているということ。どこまで言っていいのか…(笑)。原作を好きな方にとっても、新しい物语を见るという楽しみ、先が読めないという楽しみが増えているはずです」。
先日の完成披露の际、キャストの一人であるピエール泷が、これから映画を见る観客に「みなさん、半分は巨人を见に来てるんでしょ?」と语り期待を煽っていたが、まさに気になるのは巨人! 本郷さんの目から见てその仕上がりは?
「やはり、実写で巨人が人间に向かってくると、绝望感が半端ないです(笑)! 漫画やアニメでは実际の世界と比べると当然、いろんな描写がデフォルメされていますが、それを実写で描くとなると、巨人の体液など细かいディティールが必要であり、リアルに巨人がいたらどうなるのか? というのがぶつけられてくるので、见ていると本当に気持ち悪いんです。巨人だけでなく、例えば生きている人间を真っ二つにちぎってしまうのとかも、漫画やアニメなら少ない色のグラデーションで表现されていてまだ耐えられるんですけど、実际にそれが実写になると、こういうことなのか! という恐怖が际立ちますね」。
ちなみに、冒头で绍介したアルミンが巨人の口の中に吸い込まれていくド迫力シーン。巨人の巨大な口のセットが作られ、実际に食べられながら撮影された…。
「口があって、中には大きな舌もあって、ゴムかシリコンかでできていて、その下に人が入って动かして、蠕动(ぜんどう/“食べ物”を下へと送ろうとする消化器官の运动)させるんです。上からはローションが流れてきて、ウォータースライダーの発射口みたいな感じで…。(小道具として)人の服の切れ端とか、指のかけらも流れて来るし、もう谜でしたね(苦笑)。春马くんと一绪だったんですが、夜中の3时とかにそんなことやりつつ『これ、何なんだろうね…?』って(笑)。でも、出来上がったのを见たら、ピンチ感が本当にハンパないんです。象徴的なシーンだなと思います。実际、仆以外の人は、わりとあっさりと食われてしまったり、死んだりしてて、そういうあっけなさは、命なんて一瞬でなくなっちゃうんだよってことを伝えてくれていいんですけど、あのシーンの『やべえ! やべえ!』って引っ张ってるところはドキドキしながら见てほしいです」。
この巨人の恐怖に立ち向かう上での人类の最大の武器となるのがワイヤーによって自由に空间を移动することができる“立体机动装置”である。腰に下げた装备のかっこよさもさることながら、それを実际に使用する飞行シーンはスピード感にあふれている。「アニメーションの立体机动装置による移动シーンがものすごく出来がいいんですよね。ビュンビュン飞び回ってて正直、アニメの动きを実写で超えるのはなかなか难しいんじゃないかと思ってたんです」と本郷さんは当初、抱いていた悬念を明かすが、その心配は杞忧に终わった。键となったのはワイヤーの存在。
「普通の日本のアクション映画でもワイヤーアクションはありますが、いかにも“吊っちゃってる”という感じが出てしまい、観ていて醒めちゃうことが结构あったんです。でも、今回に関しては、そもそも立体机动装置というのがワイヤーを使って飞び回るものなので、ワイヤーがすごくいいところでマッチしていて、吊るされている感があるからこそ逆にいい! この设定だからこそできることであり、アクションの完成度はメチャメチャ高いです!」。
これまで、几度となく人気漫画の実写化作品に参加してきたが、今回はこれまで以上の大きな挑戦となった。そこで感じたのはプレッシャー以上に大きな喜び。
「お金と时间をかけて、このタイトルだからこそ集まった一流のスタッフ阵が『进撃の巨人』の世界を作り上げていく――その热量が本当にすごかった。そこに参加させていただけるというのはなかなかないことであり、本当にすごい経験でした」。
アルミンに関して「会社で中间管理职の立场にいたら、活跃すると思うんですよね」とポツリと漏らす。
「広い视野で状况を理解できるというのが、他の人にはないアルミンの特徴かなと思います。他はみんな、自分のことしか考えてないような人ばかりなんでね(笑)。実はそこは、仆自身とも割と近い部分なのかなとも思います」。
もしも、本郷奏多が『进撃の巨人』の世界に放り込まれたら、どんな生き方をする?
「そうですね…仆は意外と运动神経もいいし、勉强もすればできる方かなと思うので、必死に顽张っていい成绩を収めて、中央に配属されて、安全なところで暮らしますね(笑)。调査兵団には绝対に入りません! 头脳派というよりはずる贤くて小さいんです。保身のための努力ならいっぱいできると思うので、顽张って、なるべく壁から离れた内侧の世界に行って暮らします(笑)」。
(photo / text:Naoki Kurozu)