ー私の曲の作り方ー
活動を始めた頃からとにかく毎日、呼吸をするように曲を書き溜めていました。
私の場合は景色からメロディが浮かぶことがとても多く、例えば広い海を見ればその時の空の絶妙な色の変化で全く違うメロディを感じたり、空の高さや雲の形、そこからのインスピレーションでメロディを作ります。その為、活動初期の頃はとくに風景写真をピアノに置いてひたすらにらめっこ、なんてこともありました。中学の頃に図書室へ出向くのは、作曲材料になりそうな風景写真を見つけにいくためだったような気がします。
そして作曲をするときのほとんどが、楽しい時よりも悲しい時でした。寂しい気持ち、苦しい気持ち、その時は自然と「あぁ、こんな時こんなメロディの曲が寄り添ってくれたら少しは楽になれるのにな」という思いからメロディが溢れ出てきます。幼少期に続いた転校や引越し、突然の別れ、そのときの境遇で心に空いた穴を埋めるような思いで、全てを音にしていました。
(中学時代の制作ノート。お気に入りの無印良品ノートに書き留めていたもの)
ー歌詞に対しての思いー
作曲に比べて、逆に歌詞は年を重ねるたびに、とても時間をかけて書くようになりました。
洋楽を好んで聴き、メロディ先行の私は、昔は歌詞は何をどう書けばいいのかわからなかったのです。
作曲の始まりが自分の日記にメロディをつけるように始まったことから、自分にしかわからない気持ち(自己主張)が強い分それは自己満足となり、人の心に寄り添う、共感してもらえる歌詞を書きながら自分らしさを取り入れるということを、意識すればするほど混乱するばかりだったので、中学〜高校の頃の歌詞については素直に自分の体験やストレートな感情だけを書こうと決めていました。
しかし、今回のデビューを機に、今一度シンガーソングライターとして「伝える」ことの意味を考え、作曲よりも作詞について考える時間を多く増やし、言葉一つ一つをどうすればいかに聴き手である皆さんの心に届くのだろうと、自分に問いかけては書き出す、という日々を過ごしています。