ー名刺200枚ー
15歳から始めた音楽活動ですが、気が付けば高校を卒業し、成人式を迎え、あっという間に20歳になっていました。
我が家は母子家庭だった為もあり、進学に対して余裕がなかったのと同時に、私自身も自己流でやってきた音楽スタイルを貫こうとしていたので、大学や専門学校への選択肢は頭の中に全くなく、アルバイトをしながらライブをする日々でした。高校時代にオーディションをクリアし様々な大会やイベントに出演し歌わせていただく機会もあり、デビューの話が決まりかけた時もありました。しかし、その頃からブラックミュージックの魅力に取り憑かれていた私は、どうしてもその時に求められた自分とは真逆の音楽性に従うことが出来ずに、自分のやりたい音楽は譲れないという選択を取りました。
しかし刻々と時は過ぎていき、気づけば21歳を迎えようとしていた時、同級生は大学で学び、確実に前進している様子を見たとき「彼らが大学を卒業する頃、私はまだ同じ場所で歌っているなんて絶対にいけない」と思い、デビューが決まる1年前はオーディション誌を買い漁り、月に15社ほどデモテープを送り続けて、少しでも声をかけてくれた会社にはすぐにご挨拶に伺いました。冷やかしや怪しいお金の要求…なんてことも少なからずありましたが、とにかく一つでも多くのきっかけが欲しくて必死でした。しかしやはり現実は厳しくて、塞ぎ込んでいた時、ふと視点を変えて違う場所へ出向いてみようと思ったのです。ちょうど良いタイミングで、音楽関係者の方々が多く集まる「異業種交流会」が開催されることを知り、名刺を200枚作成して一人で交流会へ出向くことに決めました。もちろんそのような大人のパーティーへ参加する経験は初めてでしたし、時間も夜からだったため、母には「一人じゃ危ない!」と心配されたものの、とにかく一歩踏み出したかったその時の私に、退く選択肢はありませんでした。結果、その時に様々な職種の方と出会ったことで、とある化粧品会社の専務の方からイメージソングのご依頼を受けたり、都内タクシー車内のビデオにPVを流して頂いたり、インテリア関係の方から別のパーティーで演奏させていただく機会を頂いたり、音楽関係者の方々から様々なアドバイスやお話をお聞きすることが出来ました。私の200枚の名刺は、全て新しい出会いで頂いたお名刺と換わりました。
(当時から使用している名刺は目立つようにピンクにして作成。ケースの中にはこれからファイルに収める過去に頂いた名刺が入っている)
ーデビューを経て改めて自分が目指すステージー
結果的に、私のデビューはその異業種交流会がきっかけではなく、単純にその時よく出演させていただいていたライヴハウスの方からの紹介から更に紹介を経て、そしてご縁という形で話が決まりました。あの時の交流会で出来たご縁や得た経験は「行動力の大切さ」を私に教えてくれました。
今の事務所が生まれて初めての契約となり、また実際にCDが出来て今の事務所のクレジットが記載された盤を見たときは本当に嬉しかったです。デビューを果たすまでに沢山の様々な方に会いに行って、ようやく辿り着いた最高のチームで、今は音楽に励ませて頂いております。
最初の自己紹介でブルーが好きだとお伝えした理由は、事務所での初めての面接があった日にどうしても勇気が欲しくて、いつも行くフットネイルで「仕事運があがるカラー(青)」を気休めで施して頂いたのがきっかけでした。その助けもあったのかブルーの小物を持つことで精神が安定する気がして、今では私の1番大切なカラーとなりました。私は、ジャズ、ボサノバに続き、自分自身が感銘を受けたブラックミュージックを基に、ピアノ弾き語りアーティストとして、これからもたくさんの曲を作り、人々の心を豊かに出来るシンガーソングライターを目指しています。自分自身の技量に現時点で全く満足はなく、とにかく常に自分の音楽性、技量を磨いていくことが大切だと日々考えています。素晴らしい景色を見て、素敵な言葉を紡いで、時には痛みにも触れて、GOOD MUSICを作り出し、一人でも多くの方の心に、黒川の音楽がビタミンとなり心に寄り添えるよう、アーティストとして成長していきたいと思っています。そして常に思うことですが、私の音楽を必要としてくれるファンの方々、作品をより良く磨いてくれる方々、そのような方々がいない限り私はこうして今のような環境で音楽をさせていただくことは出来ません。いつも支えてくれる方々に感謝を忘れず、常に期待を上回るアーティストとして成長していくべく、黒川はこれからも努力を続けていきます。全4回にわたってお送りさせていただいたコラムですが、これを機に、黒川沙良というアーティスト、そして黒川の今まで知らなかった部分を少しでも知っていただけたならとても嬉しく思います。冒頭に『「コラム 書き方」と検索して30分』と書いたにも関わらず、結果的に私の長編プロフィールとなってしまったことをお許しください。(笑) 最後までお読みいただきまして誠に有難うございます。