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【进阶日语高级教程】第8课:コンピュータ夢物語

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地下鉄の改札口でのことである。いつものように定期券を自動改札機に入れた途端、赤ランプが点滅、同時に大きな音が鳴り、機械に行く手を阻まれた。それまでにも経験があるのでもう一度定期券を入れ直してみたが、結果はやはり同じ。戸惑っていると、駅員がこちらへ来いと手招きをしている。行ってみると「ちょっと定期を拝見します。…おかしいな」と、いぶかしげな顔をする。私が「おかしいのは機械の方だろ。この定期まだ切れてないんだし」と言うと、最新型のコンピュータを使った機械だからこんなことは起こるはずがない、定期券を磁石のそばにでも置いたんだろう、と言う。駅員の取り調べでもするかのような態度にむっとして抗議したが、相手はろくに取り合おうともせず、「さっさと通れ」とばかりに、私に定期券を返してよこした。
この自動改札機に使われている「最新型のコンピュータ」は、厳密に言うと、あらかじめ入力されたとおりにプログラムを実行していくマイクロコンピュータである。これは、実に様々な機器に組み込まれ、現在我々の生活の隅々にまで入り込んでいる。飛行機の自動操縦装置をはじめ、テレビ、ビデオなどの家庭用電化製品に至るまで、これなしでは、現代の生活が成り立たないと言っても過言ではない。実に、毎日口にするご飯までコンピュータが美味しく炊いてくれる時代なのである。
コンピュータは、この半世紀足らずの間におどろくべき速さで開発が進んだ。その結果、人間はそれまでに経験できなかった生活空間を手に入れ、かつて目にしたことのなかった世界を見ることができるようになった。コンピュータが開発されていなければ、自分の惑星を自らの目で見ることはなかっただろうし、10億桁を超える円周率の計算ができるなどとは夢にも思わなかっただろう。
コンピュータの開発がハードウエア、ソフトウエアともに今のペースで進めば、近い将来我々の生活は一変してしまう。現在のパソコン通信ネットワークがさらに充実すれば、子供たちはディスプレーに向かい自由に勉強し、両親はそれぞれの勤め先と結ばれたパソコンを前にマイペースで仕事をする。そんな、学校や会社へ行く必要のない時代が来る。家事の分担で男女差別論を戦わすこともない。炊事、洗濯、掃除など、一切の家事がコンピュータに指令を出すだけで済む。病気になったときには24時間ドクターサービス。ディスプレーに軽く手を当てるだけで、血圧や脈拍などの必要なデータが自動的に病院に送られ、すぐに診断して適切な指示を与えてくれる。旅行をするなら希望先を入力しさえすれば、コンピュータ制御の車が最短距離を選び、自動運転で、山へなり海へなり好きなところへ連れていってくれる。「そんなことできるものか。SF映画じゃあるまいし。」と言う人もいるかも知れないが、今の技術をもってすれば、これは、決して夢物語などではない。
快適さ、便利さ、さらには安全性を求めるあまり、我々は生活の多くの部分をコンピュータにゆだねてきた。が、果たしてそれを信じ込み頼り切っていいものだろうか。コンピュータがミスを犯さない可能性はどこにもない。入力プログラムが少し狂えば、快適さや便利さはおろか、生活の秩序が根本から覆される。自動改札機がミスを犯した程度のことなら腹を立てるぐらいで済む。しかし、500人乗りの飛行機のコンピュータにトラブルが起こったらと考えるとぞっとする。その上、最近では、いわゆる「コンピュータウイルス」の妨害による大混乱も、現に、数多く報告されている。また仮に、完璧なコンピュータが作られたとしても、それによってもたらされた、快適で便利で安全な生活に安住したとしたらどうなるか。なまじ労働を機械に肩代わりさせたばかりに、自らの頭や手足を働かせることを忘れてしまうという事態にも陥りかねない。そうなければ、人間は本来備わっている能力を失い、退化していくだけである。
よく「人間あってのコンピュータ――コンピュータは人間が作ったものであり、それを使いこなすのは人間だ」と言われる。コンピュータは、あくまで人間がコントロールするものであり、その導入によって生まれた時間的、物質的余裕を、より質の高い人間生活の実現に結びつけるのでなければ、人間はその意図に反して、コンピュータにコントロールされてしまうことになる。コンピュータ時代に生きる我々は、ある意味でコンピュータから大きな挑戦を受けているのである。


1楼2015-12-13 10:55回复