第三話 猫と風子とひまわりさん
(ふぅーはぁー) よし
いらっしゃい あれ 風子?
ど、どもう
風子が放課後来るなんて珍しいな ああ そういえば そろそろテストの時期だから 部活は休みなのか
そ、そう!
まつりに用事かい 今はいないよ なんても ノート見せてもらうとかで友達の家に行くから今日は遅れ
るって テスト勉強に必要なんじゃないかな
ああ いいや 私は別に姉ちゃんに用があるワケじゃないよ
そうなの じゃあ何の用?
ええ、えっと その ううっ ほ、本!本を見に来たんだよ 何故ならここは本屋だから なんか悪い?
なんだ お客さんたっだのか じゃ 何か本をお探しですか?
ああ いいえ お構いなく
そうだな ゆっくり見ててくれ 私はそこで本読んでるから
う、うん
うん
っえお
うん
え あ、あの
はー うん 面白かった そうだ そろそろまつりが来る頃かな (ふんーがー!)
ああ
え?!
痛、痛い
風子 大丈夫? ごめん 真後ろにいるとは思わなくて 私は急に立ち上がったから 驚かせしまったな 派手に転んだようだけれど 怪我はなかったか
大丈夫 あの 帰るね
でも そろそろまつりも来ると思うけれど
うっえ じゃーね
風子? 待った 戸締まってる
ああ痛い し、失礼しました
ありがとうございました 大丈夫かな
ああ~~ 自己嫌悪
ただいま
お帰り 姉ちゃん
風子 今日ひまわり書房に来たんだってね ひまわりさんが言ってだよ
うう うん
扉におデコぶつけたって聞いたけど 大丈夫 たんこぶ出来でない ひまわりさんは心配してだよ
うん 大丈夫
今日は風子元気ないね
そう見える
あからさまに
うんん 姉ちゃん~
なにか悩みごと?
うん 実は
どうやってひまわりさんに話かけたらいいか分からない
うん いつも緊張してうまく話せないんだ 話題も見つからないし どうしたらいいと思う?
ううむ そうだな 結構どんな話題が振っても反応してくれるけど
でも 私には本読まないしさ ひまわりさんの仕事を邪魔したいワケじゃないし
なるほど 風子は ひまわりさんともっとよく仲なりたいんだね
うう ちょっとくらいは楽しくを喋りたいなぁとか思ったり って そ、そんなこと思ってねぇし
うん~ そうだね ここのやっぱりひまわりさんの好きのモノについて考えてみるのがいいと思うの
ってことは やっぱり本ってこと む~えう 本読むのは苦手なんだけどな
風子 ひまわりさんが好きのモノって本だけじゃないんだよ
本以外でひまわりさんが好きなモノ? あ! そっか!ありがとう姉ちゃん それなら ひまわりさんと楽
しくお話できる気がする
うん! 風子 頑張れ
これってよしっと さすが姉ちゃんだ 昨日姉ちゃんに相談したお陰で どうしたらひまわんりさんと楽し
くお喋りできるか その答えがわかったよ
よし やるぞ
それじゃーね ひまわりさん
ありがとうございました さてと 忙しくなる前に 本棚の整理でも
にゃあ~
うん?この声は
にゃあ~
はっ あの物陰から見えてるのは 猫のシッポ ***
ぬうにゃあ~
の、野良猫だろうか 黒猫だ かわいい
にゃあ~
逃げってしまわないように ゆっくり近づいてっと
っあ! ひまわりさんが真剣な顔でじりじり付いてくる なんか怖い
あれ その声は もしかして風子
にゃあああ!! 見つかちゃった!
どうしだ? ってなんだ その格好 猫耳と猫のシッポなんて付けて一体何してるんだ
いいや これは ええと 私は風子ではありません 猫です 猫ですにゃ
どうしだ
にゃあああっううっくう ごめんなさい 実は風子です
実はも何も見たまんまだけど それにしても なんてそんな格好して猫のモノ真似なんか ハロヴィンの予
行練習には少し早いじゃないか
い、いいや そいうワケでは… ないんですけど
そうなの まあ それは別にいいんだけど
っ 恥ずかしくて いたたまらない あ、あの 私は帰りま…
風子は 猫のなき声の真似が上手なんだな
ええ! そ、そう?! ちゃんと猫のなき声に聞こえた?
うん 何かコツとかあるの?
コツってほどでもないけど えっと こんな風に口あけて にゃあああ
こう? にやや
あ そうそう そんな感じで もっとこう猫っぽく
にやああ あああ… 難しいな うん 何だ?人の顔じっと見て
は、ははは ひまわんりさんかわいい
ええ はっ
こんにちは あれ 二人してお店の前で何やってるんですか ってなになに風子 なんて猫みたいに仮装し
てるんの?
ええ だって姉ちゃんがひまわんりさんの好きなモノついて考えろって言ったから
それはそうだけど いくらひまわんりさんが猫好きだからって 自ら猫なるなんて予想外だよ
ええ!? あれ?! 私とんでもない間違いしてた?
うん でも 大丈夫だよ その格好似合ってるし
っ なんのフォローでもなってないよ姉ちゃん
ほら 二人ども 突っ立ってないで 中に入れないのか
はい
恥ずかしい
風子
何 ひまわんりさん?
先私が猫のモノ真似したことは内緒にしておいてくれ 恥ずかしいから
う、うん! 内緒っね
じゃあ せっかくだから今日は風子に猫の写真集でも紹介しようかな
ああ 間違いでもなかったみたい よかった