
4月16日に大阪・大阪松竹座にて開幕する、つかこうへい作、錦織一清演出「寝盗られ宗介」のプレビュー公演が、本日4月13日に東京・シアター1010にて開催された。

「寝盗られ宗介」プレビュー公演より、抱き合うレイ子(高橋由美子)とノブオ(姜暢雄)、そしてスズ子(蔵下穂波)。
「寝盗られ宗介」は女房への愛の昂揚のために幾度となく女房をほかの男と駆け落ちさせる、大衆演劇一座の座長・宗介を軸とした喜劇。彼のほかにも、ひと癖もふた癖もある座員たちの姿を通して、男女の愛とは、人情とは何かを描いていく。つか作品を錦織が演出し、主演にA.B.C-Zの戸塚祥太を据えるこの座組は、2013年の「熱海殺人事件」、2014年の「出発」、2015年の「広島に原爆を落とす日」に続いて4作目となる。

「寝盗られ宗介」囲み取材より、高橋由美子。
物語は劇中劇を交えながら進んでいく。劇中劇の第1幕では、戸塚演じる宗介らの縄を使った立廻り、板3枚を使っての戸板倒しなど、歌舞伎の手法を取り入れた演出も。また福田演じるサキと宗介のタップダンスは、タップダンサーのHIDEBOHが振り付けを手がけた。さらにオリジナル曲の「男道」をはじめ、舟木一夫「高原のお嬢さん」、アン・ルイス「女はそれを我慢できない」、小川順子「夜の訪問者」、荒木とよひさ「ガキどもよ墓場で遊べ」、大塚愛「甘えんぼ」など、キャスト陣がさまざまな楽曲を歌い上げていく。役者陣の熱量ほとばしるプレビュー公演は、スタンディングオベーションで幕を閉じた。
開演前には囲み取材が行われ錦織一清のほか、出演するA.B.C-Zの戸塚祥太、高橋由美子、福田沙紀、姜暢雄、関西ジャニーズJr.の藤原丈一郎、酒井敏也、小川菜摘、篠山輝信、蔵下穂波、冨浦智嗣、三浦祐介、西井幸人が参加。それぞれ開幕へ向けての意気込みを語った。

「寝盗られ宗介」囲み取材より、福田沙紀。
まずは「今日のプレビュー公演から全速力で突っ走りたい」と座長の戸塚が力強く挨拶。記者から作品の仕上がりについて尋ねられると「パーフェクトです!」と即答する。「錦織さんからも?」とさらに記者からツッコまれると「それはまだわからないですけど……」と苦笑い。「でも錦織さんに稽古をしっかりつけてもらったので、それを体現したい」と意気込んだ。

「寝盗られ宗介」囲み取材より、姜暢雄。
座組について「物語の一座が反映されてるのか、今まで参加した作品の中でも特に、チームとしてのまとまりがいい。皆さん、すっごく仲がいいです。……いいよね、丈?」と後輩の藤原に話題を振ると、藤原は「はい、いいと思います!」と元気に返答。藤原も「関西ジャニーズJr.の看板を背負って来てますから。この貴重な経験を今後生かせたらと」と意気込みをみせた。
さらに「こんなに女性の方と一緒に過ごす時間が長かったのは、今までにないです。三十路を前にご褒美をもらった感じですね」と語る戸塚に、高橋からは「この舞台は戸塚くんがカッコよく見えればいいんじゃないかな?」と衝撃の発言が飛び出す。「ね、小川さん?」と振られた小川は、笑いながら「みんなでとっつーを支えて、支え合って千秋楽まで怪我なく過ごせたらいいなと思います」と微笑ましい掛け合いを見せ、座組の仲の良さを感じさせた。福田は「稽古場でも座長らしくひっぱってくれて安心してついて行けます」と戸塚座長について賛辞を述べる。

「寝盗られ宗介」プレビュー公演より。
演出を務める錦織は「4年目も豪華キャストを迎えられて、新しい『寝盗られ宗介』を作り上げられました」と挨拶。最後に戸塚が「寝盗られ2016年版、今日からスタートです。プレビュー公演を皮切りに大阪、福岡、愛知、東京と各地を回らせていただきます。この一座を皆さんに好きになっていただくように、がんばっていきますのでよろしくお願いします」と会見を締めくくった。
「寝盗られ宗介」は4月16日に大阪松竹座にて開幕後、福岡・福岡ももちパレス、愛知・刈谷市総合文化センターを巡演し、5月24日より東京・新橋演舞場にて上演される。