強烈な引きで知られ、釣り人なら一度は挑戦しようと憧れる巨大魚アカメ。イトウやビワコオオナマズと並ぶ「三大怪魚」の一つに挙げられる。次々にしとめる名人が高知市にいると聞いて訪ねた▼
「川上のおんちゃん」こと元タクシー運転手の川上清次(きよつぐ)さん(69)。小学校に入る前から糸を垂れてきた。数年前、自宅近くの鏡川で大きな魚影を見て、血が騒ぐ。何度も挑んでも空振りで終わる人が多い中、短期間に1・35メートル級の超大物を5匹も釣り上げ、全国区の話題に。幻の大魚を一目見たいと同好の士が集まるようになった▼
釣り哲学はシンプルだ。「魚は獲物ではなく大切な対戦相手。失礼なことは絶対にしない」。しとめると自ら川に飛び込み、針を外す。浅瀬で20分ほど休ませ、「また帰ってこいよ」と川に放つ▼
本場の高知県でもかつてはレッドリストで絶滅危惧種に指定されていた。生息環境が改善し、捕獲できる「注目種」に改められた。釣ったら逃がすよう県は呼びかける▼
レジャー白書によれば、日本の釣り人口は長く減り続けてきたが、3年前に底を打つ。3密を避けられることもあって人気が高まり、いまは久々の釣りブームのさなかだ▼
坂本龍馬もめでた海岸として名高い桂浜にある水族館を訪ねた。水槽のアカメを電灯で照らすと、二十数匹の丸い目が紅色に変わる。いつか四万十川の清流で挑んでみたいと夢を抱いて入館したが、鎧(よろい)で身を固めた侍のような巨体に圧倒される。わが闘志はシュンとしぼんだ。
「川上のおんちゃん」こと元タクシー運転手の川上清次(きよつぐ)さん(69)。小学校に入る前から糸を垂れてきた。数年前、自宅近くの鏡川で大きな魚影を見て、血が騒ぐ。何度も挑んでも空振りで終わる人が多い中、短期間に1・35メートル級の超大物を5匹も釣り上げ、全国区の話題に。幻の大魚を一目見たいと同好の士が集まるようになった▼
釣り哲学はシンプルだ。「魚は獲物ではなく大切な対戦相手。失礼なことは絶対にしない」。しとめると自ら川に飛び込み、針を外す。浅瀬で20分ほど休ませ、「また帰ってこいよ」と川に放つ▼
本場の高知県でもかつてはレッドリストで絶滅危惧種に指定されていた。生息環境が改善し、捕獲できる「注目種」に改められた。釣ったら逃がすよう県は呼びかける▼
レジャー白書によれば、日本の釣り人口は長く減り続けてきたが、3年前に底を打つ。3密を避けられることもあって人気が高まり、いまは久々の釣りブームのさなかだ▼
坂本龍馬もめでた海岸として名高い桂浜にある水族館を訪ねた。水槽のアカメを電灯で照らすと、二十数匹の丸い目が紅色に変わる。いつか四万十川の清流で挑んでみたいと夢を抱いて入館したが、鎧(よろい)で身を固めた侍のような巨体に圧倒される。わが闘志はシュンとしぼんだ。