【1】[終助]種々の語に付く。
1 自分の判断や主張を確認しながら念を押す意を表す。「ぼくにだってできる—」
「お歴々にも負けることはおりない—」〈浄・鑓の権三〉
2 傍観的な、多少投げやりな調子で、あっさりと言い放す気持ちを表す。「好きなようにやればいいの—」「そう心配することはない—」
3 疑問語とともに用いて、質問・反駁(はんばく)・難詰の意を表す。「行くって、どこへ行くの—」「男のくせに何—」「どうして黙っているの—」
4 (多く「とさ」「ってさ」の形で)他人の話を説明したり、紹介したりする気持ちを表す。「昔々、竹取の翁(おきな)という老人がいたと—」「彼も行くんですって—」
【2】[間助]文中の種々の語に付いて、口調を整えながら、相手の注意を引き留めようとする気持ちを表す。「でも—、ぼくは—、わかってるんだ」「それが—、どうもおかしいんだ」
「何がなくとも—、お久しぶりといふ句が有がたうごぜえます」〈滑・浮世風呂・四〉
【3】[格助]《方向の意を表す接尾語「さま」の音変化》名詞に付く。方向を表す。格助詞「へ」、または「に」に同じ。
「追分(おひわけ)の松屋—いかっしゃりました」〈洒・軽井茶話〉
[補説]【1】【2】は、近世初期、男性、ことに武士に多く用いられたが、後期には広く用いられるようになった。現在では男女ともに打ち解けた会話で多用する。なお、昭和30年代に鎌倉の腰越小学校で語尾の「ネ・サ・ヨ」を使わない運動が始まり、一時全国に広がった。【3】は中世ごろから東国方言として知られていたが、現在でも東北地方などで用いられる。
1 自分の判断や主張を確認しながら念を押す意を表す。「ぼくにだってできる—」
「お歴々にも負けることはおりない—」〈浄・鑓の権三〉
2 傍観的な、多少投げやりな調子で、あっさりと言い放す気持ちを表す。「好きなようにやればいいの—」「そう心配することはない—」
3 疑問語とともに用いて、質問・反駁(はんばく)・難詰の意を表す。「行くって、どこへ行くの—」「男のくせに何—」「どうして黙っているの—」
4 (多く「とさ」「ってさ」の形で)他人の話を説明したり、紹介したりする気持ちを表す。「昔々、竹取の翁(おきな)という老人がいたと—」「彼も行くんですって—」
【2】[間助]文中の種々の語に付いて、口調を整えながら、相手の注意を引き留めようとする気持ちを表す。「でも—、ぼくは—、わかってるんだ」「それが—、どうもおかしいんだ」
「何がなくとも—、お久しぶりといふ句が有がたうごぜえます」〈滑・浮世風呂・四〉
【3】[格助]《方向の意を表す接尾語「さま」の音変化》名詞に付く。方向を表す。格助詞「へ」、または「に」に同じ。
「追分(おひわけ)の松屋—いかっしゃりました」〈洒・軽井茶話〉
[補説]【1】【2】は、近世初期、男性、ことに武士に多く用いられたが、後期には広く用いられるようになった。現在では男女ともに打ち解けた会話で多用する。なお、昭和30年代に鎌倉の腰越小学校で語尾の「ネ・サ・ヨ」を使わない運動が始まり、一時全国に広がった。【3】は中世ごろから東国方言として知られていたが、現在でも東北地方などで用いられる。