紙コップとストロー、調味料入れの柔らかいボトル、スポンジ、クリアファイル。この材料で「人の声が出せる装置」が作れると聞き、国立科学博物館で開かれた「音の科学教室」を訪ねた。集まった約20人の大半は小学生だ▼
纸杯、吸管、装调味料的软瓶,再加上海绵和透明文件夹,用这些材料便可制作出“发出人声的装置”。听闻这个消息,我前往国立科学博物馆举办的“声音的科学教室”一探究竟。前来听讲的约20人中,小学生占比过半。
ストローを斜めにカットして、切り口に小さな楕円(だえん)形のファイルを貼る。それをコップに差し込み、スポンジを詰めたボトルと合体させれば完成だ。コップに強く息を吹き込みながらボトルをにぎって形を変えると、アー、ウーと「声」のような音が出た。これは面白い▼
将吸管斜切,在切口处贴上一个小小的椭圆形文件夹,并将其放入杯中。随后与塞满海绵的软瓶组装在一起,发声装置便大功告成。一边用力对着纸杯吹气,一边用力将软瓶捏变形,便可发出fa、wu之类的声音。这可真有趣。
器用に音を操る子がいる一方で、「うまくいかない」と考え込む子も。指導役の工学院大准教授、高橋義典さん(45)から指摘されて、ストローの部分を直した。今度はブーッと大きな音が出て、見ている方もほっとした▼
有些孩子一次便能成功,可以灵巧地操控声音,但也有孩子百思不得其解。教室的指导老师——工学院大学副教授高桥义典(45岁)——会指导他们进行调整,调整了吸管部分后,便发出了响亮的声音,真是可喜可贺,旁观者也松了一口气。
人の声が出る仕組みも学んだ。肺から空気が送られ、声帯で音が作られる。その音が、のどや口腔(こうくう)、鼻腔(びくう)の声道で響き合って声になる。ストローは声帯、ボトルは声道だったのだ。理科好きだという男の子が「すげーな、人間」と感心していた▼
科学教室还为大家讲解了人的发声原理。空气通过肺部泵送,经过声带振动形成基音。基音在喉咙、口腔、鼻腔中产生共鸣,最终形成声音。上述实验中,吸管便起到声带的作用,而软瓶则是声道。一个爱好理科的男孩发出由衷地感叹“人类还真是不得了啊”。
日本時間の昨日、独創的でユニークな研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」が発表され、日本人が18年連続で受賞した。わいわいと楽しそうな授賞式の映像に、科学教室で盛り上がっていた子どもたちの顔が浮かんだ▼
日本时间的昨天,“搞笑诺贝尔奖”获奖名单公布,该奖项旨在表彰具有独创性且别出心裁的研究。日本人已连续18年获得该奖项。看着欢乐洋溢的颁奖典礼画面,我的脑海中浮现出了科学教室里孩子们兴味盎然的脸庞。
「面白さ」が注目されるイグ・ノーベル賞だが、実はまじめな研究が受賞する例も多い。声の装置をきっかけに科学者になった――。ふと、そんな夢を見る。
虽然“搞笑诺贝尔奖”因“趣味搞笑”而广为人知,但实际上也有许多严肃认真的研究获奖。我忽然做了这样一个梦——那些孩子中有人因发声装置而爱上科学,最终成为了一名科学家。
单词解析
1.クリアファイル
薄型透明文件夹。
【例句】クリアファイル・ボックス。
2.詰める「つめる」
塞满,填满。缩小,缩短。继续做,持续做。节约,简省。深究,打破砂锅问到底。将军,将死。准备,等待,守候。
【例句】箱に商品を詰める。
3.吹き込む「ふきこむ」
灌唱片,录音。教唆。唆使。刮进,吹入,灌进。
【例句】悪知恵を吹き込む。
4.考え込む「かんがえこむ」
沉思,苦想。
【例句】1日中考え込む。
5.響き合う「ひびきあう」
共鸣,互相回应。
【例句】静かな夜空に鈴の音が遠く近く響き合うのが聞えて来た。
【翻译心得】
原文:声の装置をきっかけに科学者になった――。ふと、そんな夢を見る。
译文:我忽然做了这样一个梦——那些孩子中有人因发声装置而爱上科学,最终成为了一名科学家。
分析:日语中常见的主语省略句。结合上文中提到的发声装置科学教室,此处的主语应当指参加了科学教室的孩子们。翻译时需将主语补齐。
【背景知识】
「哺乳類が肛門で呼吸できる」と発見! 日本にイグ・ノーベル賞
今年の「イグ・ノーベル賞」が発表され、京都大大学院などの「哺乳類も肛門から酸素を取り込める」研究などが受賞した。
米国科学誌「Annals of Improbable Research」が主催する「イグ・ノーベル賞(Ig Nobel Prize)」は9月12日、今年の受賞者を発表し、京都大大学院などの「哺乳類も肛門から酸素を取り込める」研究などが受賞した。
イグ・ノーベル賞は科学研究における面白いが埋もれた研究を称えるために1991年に創設された賞。日本の研究も頻繁に取り上げられている。今回、「生理学賞」として受賞した「腸呼吸」研究は、京都大大学院・東京医科歯科大学統合研究機構、名古屋大学大学院医学系研究科呼 吸器外科学、京都大学呼吸器外科との共同研究。
ドジョウなど一部の生物は腸から酸素を取り込むことができるが、哺乳類でも可能かどうかを検証したもの。肛門からの酸素注入のほか、酸素を溶け込ませたパーフルオロカーボン溶液に肛門を注入。マウスやブタなど成功し、とくに腸管粘膜の損傷や障害は認められなかったという。
人間への応用も想定し、とくに新型コロナウイルスなどによる重篤な呼吸器不全の治療・救急医療に利用できるとしており、企業などと連携して医療法や器具の開発を進めている。
纸杯、吸管、装调味料的软瓶,再加上海绵和透明文件夹,用这些材料便可制作出“发出人声的装置”。听闻这个消息,我前往国立科学博物馆举办的“声音的科学教室”一探究竟。前来听讲的约20人中,小学生占比过半。
ストローを斜めにカットして、切り口に小さな楕円(だえん)形のファイルを貼る。それをコップに差し込み、スポンジを詰めたボトルと合体させれば完成だ。コップに強く息を吹き込みながらボトルをにぎって形を変えると、アー、ウーと「声」のような音が出た。これは面白い▼
将吸管斜切,在切口处贴上一个小小的椭圆形文件夹,并将其放入杯中。随后与塞满海绵的软瓶组装在一起,发声装置便大功告成。一边用力对着纸杯吹气,一边用力将软瓶捏变形,便可发出fa、wu之类的声音。这可真有趣。
器用に音を操る子がいる一方で、「うまくいかない」と考え込む子も。指導役の工学院大准教授、高橋義典さん(45)から指摘されて、ストローの部分を直した。今度はブーッと大きな音が出て、見ている方もほっとした▼
有些孩子一次便能成功,可以灵巧地操控声音,但也有孩子百思不得其解。教室的指导老师——工学院大学副教授高桥义典(45岁)——会指导他们进行调整,调整了吸管部分后,便发出了响亮的声音,真是可喜可贺,旁观者也松了一口气。
人の声が出る仕組みも学んだ。肺から空気が送られ、声帯で音が作られる。その音が、のどや口腔(こうくう)、鼻腔(びくう)の声道で響き合って声になる。ストローは声帯、ボトルは声道だったのだ。理科好きだという男の子が「すげーな、人間」と感心していた▼
科学教室还为大家讲解了人的发声原理。空气通过肺部泵送,经过声带振动形成基音。基音在喉咙、口腔、鼻腔中产生共鸣,最终形成声音。上述实验中,吸管便起到声带的作用,而软瓶则是声道。一个爱好理科的男孩发出由衷地感叹“人类还真是不得了啊”。
日本時間の昨日、独創的でユニークな研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」が発表され、日本人が18年連続で受賞した。わいわいと楽しそうな授賞式の映像に、科学教室で盛り上がっていた子どもたちの顔が浮かんだ▼
日本时间的昨天,“搞笑诺贝尔奖”获奖名单公布,该奖项旨在表彰具有独创性且别出心裁的研究。日本人已连续18年获得该奖项。看着欢乐洋溢的颁奖典礼画面,我的脑海中浮现出了科学教室里孩子们兴味盎然的脸庞。
「面白さ」が注目されるイグ・ノーベル賞だが、実はまじめな研究が受賞する例も多い。声の装置をきっかけに科学者になった――。ふと、そんな夢を見る。
虽然“搞笑诺贝尔奖”因“趣味搞笑”而广为人知,但实际上也有许多严肃认真的研究获奖。我忽然做了这样一个梦——那些孩子中有人因发声装置而爱上科学,最终成为了一名科学家。
单词解析
1.クリアファイル
薄型透明文件夹。
【例句】クリアファイル・ボックス。
2.詰める「つめる」
塞满,填满。缩小,缩短。继续做,持续做。节约,简省。深究,打破砂锅问到底。将军,将死。准备,等待,守候。
【例句】箱に商品を詰める。
3.吹き込む「ふきこむ」
灌唱片,录音。教唆。唆使。刮进,吹入,灌进。
【例句】悪知恵を吹き込む。
4.考え込む「かんがえこむ」
沉思,苦想。
【例句】1日中考え込む。
5.響き合う「ひびきあう」
共鸣,互相回应。
【例句】静かな夜空に鈴の音が遠く近く響き合うのが聞えて来た。
【翻译心得】
原文:声の装置をきっかけに科学者になった――。ふと、そんな夢を見る。
译文:我忽然做了这样一个梦——那些孩子中有人因发声装置而爱上科学,最终成为了一名科学家。
分析:日语中常见的主语省略句。结合上文中提到的发声装置科学教室,此处的主语应当指参加了科学教室的孩子们。翻译时需将主语补齐。
【背景知识】
「哺乳類が肛門で呼吸できる」と発見! 日本にイグ・ノーベル賞
今年の「イグ・ノーベル賞」が発表され、京都大大学院などの「哺乳類も肛門から酸素を取り込める」研究などが受賞した。
米国科学誌「Annals of Improbable Research」が主催する「イグ・ノーベル賞(Ig Nobel Prize)」は9月12日、今年の受賞者を発表し、京都大大学院などの「哺乳類も肛門から酸素を取り込める」研究などが受賞した。
イグ・ノーベル賞は科学研究における面白いが埋もれた研究を称えるために1991年に創設された賞。日本の研究も頻繁に取り上げられている。今回、「生理学賞」として受賞した「腸呼吸」研究は、京都大大学院・東京医科歯科大学統合研究機構、名古屋大学大学院医学系研究科呼 吸器外科学、京都大学呼吸器外科との共同研究。
ドジョウなど一部の生物は腸から酸素を取り込むことができるが、哺乳類でも可能かどうかを検証したもの。肛門からの酸素注入のほか、酸素を溶け込ませたパーフルオロカーボン溶液に肛門を注入。マウスやブタなど成功し、とくに腸管粘膜の損傷や障害は認められなかったという。
人間への応用も想定し、とくに新型コロナウイルスなどによる重篤な呼吸器不全の治療・救急医療に利用できるとしており、企業などと連携して医療法や器具の開発を進めている。