episode43
撮影が终らない。
ぼくは、ちょっと焦っていた。
オッケーがなかなか出ず、テイクを重ねている。
光一を待たせているのに。
わがままを言って、无理言って来てもらったのに。
光一の事になると、わがままな自分に気づいた。
マネージャーには、「こらえてください」と言われたのに、言う事をきけない。
光一にあいたくて、こんな大胆な行动にでてしまった。
ぼくは・・・どうかしてる。
今だって演技に集中しきれてない。
「刚君ー谁の事考えてるの?」
共演の女优さんにそう言われた。
「えっ・・?别に」
「嘘嘘、わかるもん。なんか落ち着かない感じ」
「そんな事・・・ないよ」
「あたしも今そうだからー。わかる」
彼女は、头のいい女优さんで、にこにこ笑って锐い事を言う。
「自分、・・・今、会いたい人がいるんや」
「うん。あ、ごめんね、刚君と恋してる役なのに」
「そんなんええよ」素直な彼女の言叶に笑いがもれた。
前室のかたすみで、こんな内绪のはなしをして、微笑みあった。
「はやくかえろーよ」
「うん。そやな」
その会话で、なぜか焦りが消えて、撮影はスムーズにすすんだ。
彼女に「ありがとう」と言ったら
「がんばれー」と肩をぽんぽんと叩かれた。
「君も、写真志に见つからんようにね」
「ふふ・・・でも、あたしもしかしたらね。この後幸せになっちゃうかも」
いたずらっぽく彼女は笑って行ってしまった。
「ええっ」
もしかしたら、こんなに早く结婚とか?まだまだ若いのにぼくの共演した人は
どんどん结婚していく。
みんな、それぞれ幸せそうな、恋に见える。
ぼくは・・・・?
今、不幸なわけではないけど。
でも・・・
车にのって、光一にメールした。
---ごめんね、待たせて。今やっと终ったとこ。光一は?家にいる?
でも、かえって来たメールに落胆した。
---お疲れ。さっきまで、おまえんちいたんやけど、デモテープ急ぐっていわれて
おれんちへかえって来たとこ。ごめんな。饭つくってあるから、食べて。
やっぱり、待ち切れなくて、帰ってしまったんや。
---ごめんね。御饭ありがとう、楽しみに食べるね。
メールを返し、ため息をつきながら、泣きたいような気持ちで、ドアを开けた。
いつも迎えてくれるケンシロウがいない。
「ケーンちゃん。どこ?」
机の上には光一のつくってくれた御饭がラップがかかってのっている。
「ケンちゃん?」
どこからか闻こえてくる鼻を鸣らす声。
寝室のドアがカリカリといった。
なんだ、なにかのはずみで闭まっちゃったのか。
茶色の毛玉がぼくめがけて来てくれるのを期待して、ドアをあけた。
そのとたん、中から强い力で抱き缔められた。
「・・・・!」
一瞬でぼくは、光一の香りにつつまれた。
「お帰りー、びっくりした?」そう言って光一は笑っている。
「・・・・っ」
ほんまに、びっくりして、声もでぇへんかった。
「いた・・・の」
「おお。びっくりさせよ、思って」
ぼくは、ほんとに光一なのか、信じられない気持ちで见つめてた。
「おまえ、おれが帰る訳ないやろ、刚君の诱い前にして」
笑いまじりに言ったその言叶の返事のかわりに、ぼくは光一に抱きついた。
「つよ・・・し?」
「あほ・・・嘘つきぃ」
ぼくは、光一の髪に指をさしこんで、引き寄せた。
そして、何かいおうとする光一の息を夺った。
「刚」
梦中でキスをした。
「会いたかったんや・・・・ぼく・・・光一に・・・ほんまに。」
撮影が终らない。
ぼくは、ちょっと焦っていた。
オッケーがなかなか出ず、テイクを重ねている。
光一を待たせているのに。
わがままを言って、无理言って来てもらったのに。
光一の事になると、わがままな自分に気づいた。
マネージャーには、「こらえてください」と言われたのに、言う事をきけない。
光一にあいたくて、こんな大胆な行动にでてしまった。
ぼくは・・・どうかしてる。
今だって演技に集中しきれてない。
「刚君ー谁の事考えてるの?」
共演の女优さんにそう言われた。
「えっ・・?别に」
「嘘嘘、わかるもん。なんか落ち着かない感じ」
「そんな事・・・ないよ」
「あたしも今そうだからー。わかる」
彼女は、头のいい女优さんで、にこにこ笑って锐い事を言う。
「自分、・・・今、会いたい人がいるんや」
「うん。あ、ごめんね、刚君と恋してる役なのに」
「そんなんええよ」素直な彼女の言叶に笑いがもれた。
前室のかたすみで、こんな内绪のはなしをして、微笑みあった。
「はやくかえろーよ」
「うん。そやな」
その会话で、なぜか焦りが消えて、撮影はスムーズにすすんだ。
彼女に「ありがとう」と言ったら
「がんばれー」と肩をぽんぽんと叩かれた。
「君も、写真志に见つからんようにね」
「ふふ・・・でも、あたしもしかしたらね。この後幸せになっちゃうかも」
いたずらっぽく彼女は笑って行ってしまった。
「ええっ」
もしかしたら、こんなに早く结婚とか?まだまだ若いのにぼくの共演した人は
どんどん结婚していく。
みんな、それぞれ幸せそうな、恋に见える。
ぼくは・・・・?
今、不幸なわけではないけど。
でも・・・
车にのって、光一にメールした。
---ごめんね、待たせて。今やっと终ったとこ。光一は?家にいる?
でも、かえって来たメールに落胆した。
---お疲れ。さっきまで、おまえんちいたんやけど、デモテープ急ぐっていわれて
おれんちへかえって来たとこ。ごめんな。饭つくってあるから、食べて。
やっぱり、待ち切れなくて、帰ってしまったんや。
---ごめんね。御饭ありがとう、楽しみに食べるね。
メールを返し、ため息をつきながら、泣きたいような気持ちで、ドアを开けた。
いつも迎えてくれるケンシロウがいない。
「ケーンちゃん。どこ?」
机の上には光一のつくってくれた御饭がラップがかかってのっている。
「ケンちゃん?」
どこからか闻こえてくる鼻を鸣らす声。
寝室のドアがカリカリといった。
なんだ、なにかのはずみで闭まっちゃったのか。
茶色の毛玉がぼくめがけて来てくれるのを期待して、ドアをあけた。
そのとたん、中から强い力で抱き缔められた。
「・・・・!」
一瞬でぼくは、光一の香りにつつまれた。
「お帰りー、びっくりした?」そう言って光一は笑っている。
「・・・・っ」
ほんまに、びっくりして、声もでぇへんかった。
「いた・・・の」
「おお。びっくりさせよ、思って」
ぼくは、ほんとに光一なのか、信じられない気持ちで见つめてた。
「おまえ、おれが帰る訳ないやろ、刚君の诱い前にして」
笑いまじりに言ったその言叶の返事のかわりに、ぼくは光一に抱きついた。
「つよ・・・し?」
「あほ・・・嘘つきぃ」
ぼくは、光一の髪に指をさしこんで、引き寄せた。
そして、何かいおうとする光一の息を夺った。
「刚」
梦中でキスをした。
「会いたかったんや・・・・ぼく・・・光一に・・・ほんまに。」