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第44话 激怒(一)

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生肉 机翻烤肉


IP属地:重庆1楼2020-09-10 23:36回复
    翌日、熱は下がった。
     そして、失っていた俺の理性も戻った。
     理性が戻ると同時に、俺は心の中にATフィー●ドを張った。三重くらいの。
     布団を被り、他人との接触を一切拒否したまま、部屋にこもった。
     そこまで衝撃だったのか、だと?
     そこまで怒っていたのか、だと?
     違う。そうではない……。
     涙が出る程に恥ずかしくて、部屋から一歩も出れなかったのだ。
     一体なぜ、自分がジークにあんな行動と発言をしたのか、自分でも到底理解できない。
     俺はベッドの上で布団を深く被ったまま、ピクリとも動かなかった。そしてなるべく、ジークを避けた。
     今の状態のままジークと顔を合わせてしまうと、奴を殺してしまいそうだ。
     怒っているから?
     いや、恥ずかしいからだ。
     ――一体どうして俺はジークに怒ったんだろう!? どう考えても、これはまるで……まるで……!
     これ以上は考えたくない!
     昨夜の、嵐のように吹き荒れた感情と、自分の行動に名前をつけるのが怖い!
     しかも昨夜、ジークが帰ってこなかった本当の理由を知ってからは、もう全てから逃げ出したいと思う程の羞恥心に駆られた。
     現実は残酷だ!
     昨夜の俺は、馬鹿な荒くれ者だったんだ!
     状況はこうだった。
     ジークが購買に到着した瞬間に、プリンが売り切れた。
     あと三十分程で食料品の夜間配達が届くと言われて、ジークは少し待つことにしたようだ。その時に購買に来ていた三年女子の先輩たちが、ジークに興味を持ち、色々と話しかけたのだそうだ。
     これが、昨夜の真相だ。
     ジークは特に、彼女たちの誘惑に惑わされたわけでも、
     チャラチャラした行動を取っていたわけでもなかった。
     なのに俺は、昨夜の光景を目にした瞬間に理性を失い、事実を確かめることもなく怒り散らしたのだ。
     一体どうして、あそこまで怒ってしまったのだろう。
     ジークが俺を裏切ったわけでもないじゃないか。
     いや、むしろ……奴が、俺以外の女性に恋愛的な興味を抱く方が、俺にはいい話じゃないのか? 俺に愛情を求める方が、深刻な問題だ!
     この話はもういい。ともかく、昨夜涙を流す程に悲しかった自分の感情を思い出すと、背筋がゾワッとした。
     まさか、俺が……ジークのせいで……あの……
     嫉妬を……したわけでは、ないよな?
     ――絶対に違う……! 裏切られたからに過ぎない……!
     いや、それって結局嫉妬じゃないか?
     ジークが、俺以外の女と親しげに話していたから。
     ――俺のプリンのことをほったらかしにして、他の女と話していた姿が頭にきただけで……!
     だから、それはつまり嫉妬なんじゃないか!?
     俺を最優先にせず、他の女に愛想を振りまいたから……!?
     いやいや、なぜ俺が嫉妬をするんだ?
     男が、男のせいで嫉妬をするなんてあるのか? 実は男が好きだったのか!?
     さっぱりわからない。全く。
     この世は、わからないことだらけだ。
     何はともあれ! 悪いのはジークだ!
     俺をここまで悩ませる、あの量産型が問題なのだ! そうだ! あいつが悪い!
    「パリル殿! 拙者の罪をお許しくだされ!」
     奴はそう叫ぶと、ベッドの横で土下座をした。
     おい、誤解するなよ?
     お前ごときが女とつるんでいたくらいで、こ、この俺が……嫉妬なんて、するわけがないだろうが!?
     俺様は、女なんぞ選び放題だった、最強の肉食男なのだ!
     少し親切にしたからって、勘違いするなよ!
    「テストを前に、パリル殿との訓練にだけ集中しても足りないところなのに、他の女性と会話してパリル殿の機嫌を損ねるなど……! 拙者は実に馬鹿な奴でござる! 一度だけ、一度だけお許しを……!」
     なるほど……わかった。
     それだ。「テスト」があったんだった。
     これは、嫉妬なんかではない。
     テストに全てを集中しても足りないこの時期に、俺の大事な道具であるジークが、パートナーである俺以外の人間に気を取られるなど。怒って当然の、ひどい行為だ!
     やっとはっきりした。
     だから怒りを覚えたんだな?
     俺は勢いよく布団をめくり、中から堂々と顔を出した。
     名分が出来た! よかった! ATフ●ールド、キャンセルだ!
    「自分の愚かさが……わかったか?」
    「わかったでござる! 殴っていいでござる! 踏んでもいいでござるよ! いや、思いっきり踏んでほしいでござる……! パリル殿の気が晴れるまで!」
    「その必要はない、ザク……」
     実際、誰かを殴るだけの気力もない。
     俺は、跪いて必死に許しを請うザクを見下ろしながら、短くため息をついた。
     要領が悪い。


    IP属地:重庆2楼2020-09-10 23:36
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       実際、こいつはそこまで悪いことをしたわけでもない。
       突然女に話しかけられて親切にされたら、女への免疫がないこいつに、きっぱり断れるわけがないじゃないか。
       あえて過失割合を考えるなら、あそこまで怒った俺の感情の方が、心が狭いと考えるのが自然だろう。
       世の中を見る際に、世界をそのまま客観的に捉えるのが、男。
       自分を中心に、主観的に捉えるのが、女だ。
       正しいか否か。利己的か、利他的かの問題ではない。男と女は、世界観を形成する方法がそもそも違うのだ。
       昨夜の俺は明確に、女性的な思考で状況を判断した。
       しかし、なぜだろう。
       とにかく奴が謝ってくれたことで、少し気分が晴れた気がした。
       良し悪しに関係なく、まずは女に謝る。
       女の機嫌が悪ければ、理論や良し悪しを判断する前に、まずは謝るのだ。
       それが、ジークにできる、女への配慮なのだろう。
       ジークはそういう男だ。
       それが、少し嬉しかった。
       ……。
       ……。
       ……。
       いや、なぜこんなことで俺の気分が晴れる!?
       これは俺が前世であんなに軽蔑していた、女の利己的で傲慢な習性じゃないか!
       男同士なら心のしこりなんて小さなこと。「そんなことで怒るなよ!」と、簡単に振り払わないといけないんじゃないか!?
       なぜ俺は、女共の自己中な感性で動いているんだ!?
       くそっ、わからない。
       この世界は、わからないことだらけだ!
       そしてこれは全部、あの量産型のせいだ!
      [2]
       テストまであとわずかなので、残った時間は魔力注入の訓練に集中することにした。
       食堂でのハプニングがあって以来、ジークの野郎は何が嬉しいのか、毎日が意欲に溢れている。
       跪いて許しを請っていたくせに、何があんなに嬉しいんだ?
       やっぱり、簡単に許してやったのがまずかったか?
       部下への賞与と罰には、けじめが大切だ。
       奴が喜んでいる理由は、俺の嫉妬のせい……? そう思うと苛立ちがこみ上げ、よくわからない嫌悪感が全身を駆け巡る。
       鳥肌が立つような違和感だ。
       奴の調子がよくなって、訓練も順調に進んでいること自体は幸いなのだが……俺の気分は、複雑なままだ。
       数日前の事件以来、ジークにどう接するべきか、意識してはいけないと思えば思うほど、実践ではどんどんぎこちなくなっていっている。
       しっかりしろ、俺!
       これでは、ジークという道具を冷静に扱えなくなる!
       一罰百戒のカリスマを思い出せ!


      IP属地:重庆3楼2020-09-10 23:37
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        「サークル五か……これっていい方なのか、悪い方なのか?」
         コローナ・イレクトを使って、ジークの魔力レベルを確認した。
         奴のレベルは、サークル五だった。
         俺よりはずっと高いが、噂で聞く他の生徒の魔力レベルに比べれば、そう高い数値ではないらしい。七勇者家だか何だかの出身なのに、まずまずといった感じなのだろう。
         あのレイスティーナは、サークル九らしいしな。
        「す、すまないでござる……サークルが五しかなくて……」
        「いや、まあ……俺が何か言える立場ではないけど……」
         俺はサークル一だからな。
         サークル五に文句を言える立場ではない。
         むしろ、幸いだった。ジークの魔力レベルがあまり低くなくて。
         さあ、ジークの体力も、急ごしらえではあるが作っておいた。
         あとは魔力注入の理論と実践だが……
        「問題は、俺たちの相性値をどう引き上げるかだな……」
         以前も一度説明したが、勇者とマザー、つまり魔力を注入する人とバフパートナーの間には、「相性値」というものが存在する。
         そしてその世界の戦闘方法は基本的に、魔力運用の効率が高い女性が、肉体バフに強い男性に、自身の魔力を注入して効率を上げる方法をとっている。
         俺の持つ圧縮スペルも、条件は同じだ。女の方が、ずっと有利になる。
         同じ詠唱時間内に、同じ効果のスペルを唱えたい場合は、女の方にかなり簡単な問題が提示される。このような理解があれば大丈夫だ。
         さあ、悩むのはここまでだ。
         まずは実践だ! やってみればわかるだろう!
        「では、入れるぞ! パリル・ホール・マグリュード!」
         考える前に、まずは実践してみる! それが俺のスタイル!
         数日前から俺は、ジークへの魔力注入を試している。
         圧縮スペルはひとまず置いておこう。
         もう時間がないのに、また寝込むようなことになっては困る。
         俺は堂々と、真名を宣言した。
         真名の宣言は、全ての詠唱において、開始を告げる信号だ。
        「インジェクティブ!」
         魔力注入のための基本スペル「インジェクティブ」を、体内のサークル一に溶け込ませる。
         圧縮していない、あくまでサークル一の分量のスペルなので、難しいことはなく、スピードも速い。
         そのまま、ジークの頭の天辺にそれを注ぐ感覚で、魔力を飛ばす。
        「フンッ……!」
         ジークが、体をブルブルと震わせる。
         奴の髪の毛が、静電気が起きたみたいに、ピンと逆立つのが見えた。
         この姿は少しかっこいい。
         魔力が注入されれば、弱いバフが発動するのだが、その際に、ジークの目が黄金色を帯びて輝く。これが、男性のバフ時の特徴である、「ゴールディ・パインズ」だ。
         夜中に鉢合わせると驚きそうだが、昼間に見るこの姿は、それなりに迫力があってかっこいい。
         ザク野郎が、一瞬だけ百式に見える程だ。
         やはりバフはバフなのだな。
        「うおお! 熱いでござる……! 拙者の中に……! 拙者の中にパリル殿を感じるでござる……!」
        「気持ち悪いことを言うな、阿呆!」
         普通の会話で、何て気持ち悪い表現を使うんだ……。
         一ヶ月を共に過ごしてわかったことだが、こいつは少し、ふてぶてしいところがある。
         いや……キモヲタ口調のせいか?
         普通の感性では口にし難い、恥ずかしい表現を、恥ずかしげもなく堂々と言うのだ。
        「おのれ!」だとか、
        「はああっ……!」だとか、
        「やめたまえ!」だとか。
         現実世界でこんな口調を使っている現代人など、初めて見た。そして現実世界で聞くそれは……痛い。痛すぎる。
        「ここから二倍の圧縮に入るぞ! 変な声を出したら殺す!」
        「うおおお!」
         圧縮率、二倍!
         俺は頭の中で、圧縮スペルを唱えた!
         それと同時に目の前に浮かぶ、圧縮構造式! 意識語だ!
         詠唱図面を覚える必要などない。すぐに暗算する!
         いでよ、俺の必殺技!
         九! 九!


        IP属地:重庆4楼2020-09-10 23:37
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          IP属地:重庆6楼2020-09-10 23:43
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            ht【图片】tps://i.lo【图片】li.net/2020/09/11/FqJiuz4PkcYxeo3.jpg
            被吞了吗?我看着还在啊总之先发上来了
            ht【图片】tps://i.lo【图片】li.net/2020/09/11/gHbEmWN9QTV2oBk.png


            IP属地:重庆10楼2020-09-11 10:59
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              是没了吗?我怎么看不见了


              IP属地:重庆来自Android客户端14楼2020-09-14 21:46
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